おぺらさん
>私は子供をひとり亡くしているのですが、その日から、自分も死ぬと
いうことがまったく怖くなくなりました。(中略)それはそれですっ
きりした気分で毎日人生を送っています。
=========
とてもいい話を伺いました。自分の命よりも大切にしていたものを失
うと、もちろん涙の谷を長いあいださ迷わないといけませんが、その
あと不思議に、人生を達観して爽快な気分で生きていけることがよく
あるみたいですね。
おぺらさんほどの大きな体験ではないにせよ、私も私なりの体験を経
たあと、そういうふうな爽快感を味わっています。そして、「そうか
あ、人生って、それほど怖くない場所なんだな」と思うようになりま
した。そのおかげもあって、私は「明日、死んでも悔いはない」と思
いながら毎日を暮らしていますが、同時に、「こんなにまで楽しい人
生なんだから、もし誰にも迷惑を掛けずに済むのなら、一日でも長く
生きたい」と思うようになりました。若いときには、むしろ早死にを
望んでいたのに、今ではその正反対です。
「文は人なり」と言いますから、「翻訳も人なり」と言えます。翻訳
者がどのように生きているか、どのような人生観を持っているか、ど
んな思いで、どのように生き生きと生きているかという生き様がすべ
て、翻訳したページの上に表れるのだと思います。いい翻訳をするた
めにも、いい日常生活を送りたいと思っています。
南都隆幸
Takayuki Nanto
|