たけださん、Garfieldさん、サムライです。
最初にたけださん、過日は薄謝協会のやり取りあたりから、愚生の本業
の方で忙しくなり大変失礼しました。おかげさまでやっと峠を越えたよ
うです。また、今回は面白いスレッドを立ち上げていただき有り難うご
ざいました。
Grafieldさん、
> 特許翻訳の世界で有名な水野麻子さんのように、1日当たり7000ワー
ド> こなすすごい方もいら
> っしゃるようですが、
> 主に明細書の翻訳を手がてている和訳者は、1日4000〜5000ワード(こ
> のワード数は新規に訳
> 出すべきワード数で、再利用可能な既存の訳文にかかる原文のワード
> 数は除かれる)ペース
> で月20日稼働(月8万から10万ワード)という現状だと聞いたことがあ
> ります。
小生は水野さんのテクニックの結晶であるCTを購入し、実際に翻訳作
業に反映させています。CTの購入に至った詳細は個人ブログ【教育の
原点を考える】に書きましたので参照願います。
http://pro.cocolog-tcom.com/edu/2005/07/post_6ee1.html
それにしても、新規で1日4000〜5000ワードを訳せるとは凄いですね。
私は翻訳者の組織に所属していますが、英語→外国語
(日本語、ヨーロッパ諸国語、その他)で2500ワードというのが殆どの
翻訳者の自己申告です。私も新規の場合、2500〜3000ワードが普段のス
ピードなだけに、1日4000〜5000ワードというスピードには驚きまし
た。ただ、英語が平易なマニュアルタイプの原稿なら、私でも1日
4000〜5000ワードも可能かもしれませんね。
その他、「再利用可能な既存の訳文」というのであれば、取説(マニュ
アル)に多いパターンであり、この場合はTradosなどを使って翻訳作業
をしています。その場合は一ヶ月あたり10万ワードを超える月がよくあ
ります。
> 「1日4000〜5000ワードペースで月20日稼働」という状態は「週末以外
> (訳出以外に見直しの
> ための時間を週1日確保するとすれば土日のどちらか以外)は常に翻
> 訳」という状態なので、
> あまり楽しい生活とは言えませんね。少なくとも私は嫌です。
同感です。家族と過ごす時間は大切ですね。愚生もン千万円稼ぐために
家庭を犠牲にする気持ちは毛頭ありません。
> しかも単価の切り下げ圧力が厳しい現状では15円/wordの単価を維持で
> きる翻訳者はそう多く
> ないと思います。
仰せのとおり、国内の翻訳会社からの値下げ要求が出てきています。そ
うした対策には色々とあると思いますが、私の場合は国外、殊にヨー
ロッパの翻訳会社との取引を増やすことにしています(アメリカの翻訳
会社はドルベースのため、弱いドルの現在では余り取引をしたくな
い…。$1ドル=120円に戻れば再考します…)。ともあれ、値下げを要求
してくる国内の翻訳会社との付き合いは自然に切れつつあるのが現状です。
> ただ最初に書いた水野麻子さんのような独自のノウハウがあれば、人
> として普通の生活を保
> ちながら売上を上げることは可能かもしれません。
水野さんの開発したCTはズバリ特許翻訳者向けですが、私のように特
許以外の技術系の翻訳を主にする翻訳者にも大変役に立ちました。た
だ、最近はTradosの使用を条件とする海外の翻訳者との取引が増えつつ
あるため、CTを使う機会が減りつつあるのは残念です。個人の好みで
言えば、Tradosより、CTを使って作業をした方が楽しいのに、残念です。
サムライ拝