いや、英訳中心って、決して素晴らしいことではないと思います。一
流の翻訳者たち(たとえば冨井篤さん)が言っていますけど、本当に
難しいのは英訳ではなくって、実は和訳なのだということです。僕自
身も、それを痛感しています。和訳が難しいからこそ、僕などは英訳
に逃げてしまうのです。
ネイティブチェックは、やはり通常の日本人(または日本語を母国語
とする人たち)による英訳の場合は、本当にきちんとした英語にする
ためには、必要だと思います。僕の場合は、僕自身がネイティブチェ
ッカーに依頼するのではなくって、僕が書いた英文をそのまま顧客に
提出します。顧客は、翻訳依頼主の要望にしたがって、僕の書いた英
文をネイティブチェッカーに回すべきかどうかを決めてくださってい
ます。
いずれにせよ、英訳ばかりやっていて、和訳をあんまりやらない翻訳
者は、駄目になる、とよく言われています。僕も駄目になってるみた
いです。いけませんねえ。理想としては、英訳半分、和訳半分を通す
べきなんですよね。本当に優秀な翻訳者は、そのようになさっている
みたいです。
|