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-インプットとアウトプット- nico(7/28-11:05)No.596
 ┣Re:インプットとアウトプット- kyotag(7/29-12:35)No.597
 ┃┗Re:インプットとアウトプット- nico(7/29-23:26)No.598
 ┗Re:インプットとアウトプット- ソーデン(7/29-23:30)No.599
  ┗Re:インプットとアウトプット- nico(7/30-00:49)No.600
   ┗Re:インプットとアウトプット- ソーデン(8/2-13:07)No.615
    ┗Re:インプットとアウトプット- nico(8/4-21:14)No.617
     ┗output=commentsでいかがでしょうか- kyotag(8/5-13:33)No.619
      ┗Re:output=commentsでいかがでしょうか- nico(8/6-22:48)No.620


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インプットとアウトプットnico 5967/28-11:05

皆様こんにちは。お世話になっております。

ソフトウェア関連に派遣されて通訳・翻訳をするようになってからまだ日が
浅いのですが、おそらくはコンピュータ用語から来ていると思われる和製英
語で頭を悩ますことが、最近しばしばあります。「教えて」に書込むほど重
大問題ではない気がしましたので、こちらに書込ませていただくことにしま
した。

「〜のようなアウトプットをして欲しいんだ。それを我々がマーケティング
にインプットして、...」

海外で作業をしている外国人のエンジニア・チームに対するこちらの上司の
指示なのですが、いつも巧く訳せず困っています。
当初は、output=成果、アウトプットする=成果を出す、ということだろうと
考えましたが、しばらくして、どうやらコンピュータからの「出力
(output)」、およびコンピュータへの「入力(input)」が転じて、他の人が
出してくるもの=output、自分が誰かに提示するもの=input、のように使わ
れているようだと気づきました。
上述のアウトプットもインプットも、言換えれば、製品がどうしたら売れる
かに関する suggestion のことです。

私の中では、input=あなたが私に提示して下さるアイデア、と理解している
のですが、そこから出発すると、output=私がご提示申上げるアイデア、と
なってしまい、上司の使う言葉とは in と out がちょうど逆になって、具
合が悪いのです。
しかし、実際「皆さんのアウトプットを歓迎する。」(提案して欲しい、と
いう意味)という文章があったとき We welcome your output. と訳して良
いものかどうか (We welcome your input. なら全く抵抗がないのです
が) 非常に悩みます。「アナタ方カラ我々ニゴ提示申シ上ゲテ欲シイ」のよ
うな、妙な言葉使いになってしまわないでしょうか。
やっかいなのは、事が和製英語であるだけに、話者(執筆者)はそのままの英
単語が使われていないと、がっかりして不満を持つ、という点です。まして
や in と out を逆にしようものなら「誤訳だ」と言われかねません。

皆様はどう思われますか?
よろしければぜひご意見をお聞かせ下さい。

社内の他の方の書かれた英文をチェックさせていただくこともあるのです
が、自分と相手の区別ができていないとか、位相が逆とか、相手とモノの区
別ができていないとか、いろいろな問題がでてきます。きっと、普段使う日
本語でそのような区別を曖昧にしたまま、以心伝心、仕事をしているからな
のだろうな、と思っています。

暑い日が続きますが、皆様どうぞご自愛下さいますように。

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Re:インプットとアウトプットkyotag 5977/29-12:35
 記事番号596へのコメント

>私の中では、input=あなたが私に提示して下さるアイデア、と理解している
>のですが、そこから出発すると、output=私がご提示申上げるアイデア、と
>なってしまい、上司の使う言葉とは in と out がちょうど逆になって、具
>合が悪いのです。

わかります!私も英語で仕事をしはじめたころ、最初に引っかかった言葉の一つで
す。私はマーケティング専門でしたが、あなたからのインプット、私からのインプ
ット、というのが主で、アウトプットという言葉は、「成果」という意味以外で
は、(あるいは、コンピュータやメカの用語として以外は)あまり実際には使われ
ないような気がします。

>しかし、実際「皆さんのアウトプットを歓迎する。」(提案して欲しい、と
>いう意味)という文章があったとき We welcome your output. と訳して良
>いものかどうか (We welcome your input. なら全く抵抗がないのです
>が) 非常に悩みます。

というわけで、私もInput使用のほうがぴんと来ますし、実際そう訳すと思います。
かえって、気を遣ってWe welcome your output.とすれば、英語として不自然だ
し、意味が違って来ますよね。

そこを上司の方に納得していただくのは、コミュニケーションの問題ですね。指摘
されたら「やや、実はこれは私も最近知ったのですが、実は・・・云々」と少し
(相手によっては、かなり)柔らかめに解説するか、あるいは書面だけのやり取り
等の場合は訳注を簡単につけるかすると思います。やっぱり、上司の方には、その
ようなワザを使って、ご自分の能力や知識を適正に売り込むようにしつつ、信頼を
かち得るというのがいいような気がします。

実は私も、日本人上司の英語には苦労したクチです・・・(苦笑)。

Kyotag


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Re:インプットとアウトプットnico 5987/29-23:26
 記事番号597へのコメント

kyotagさま、皆様こんにちは。
コメントありがとうございました。

>というわけで、私もInput使用のほうがぴんと来ますし、実際そう訳すと思います。
>かえって、気を遣ってWe welcome your output.とすれば、英語として不自然だ
>し、意味が違って来ますよね。

そうなんですよね(苦)。いかに相手がコンピュータ・エンジニアとはいえ、意味が通じる
とは考えにくいですし...。

>そこを上司の方に納得していただくのは、コミュニケーションの問題ですね。指摘
>されたら「やや、実はこれは私も最近知ったのですが、実は・・・云々」と少し
>(相手によっては、かなり)柔らかめに解説するか、あるいは書面だけのやり取り
>等の場合は訳注を簡単につけるかすると思います。やっぱり、上司の方には、その
>ようなワザを使って、ご自分の能力や知識を適正に売り込むようにしつつ、信頼を
>かち得るというのがいいような気がします。

経験豊富な方のご意見を伺えてありがたいです。
そうですね、上司とのコミュニケーションは大切ですよね。普段からたまに会話をしてい
る相手でも、いざ訳すとなると日本語の癖を読み切るのには本当に苦労します。社内でさ
えこの状態なのですから、社外から必要なときだけ呼ばれる通訳の方々や、フリーで翻訳
をされている方々のご苦労は相当なものでしょうね。

kyotagさんのご意見のように、上司に理解してもらう努力も必要なんだなと、改めて思い
ました。どうせ言ってもムダだし、と諦めていた部分も少々ありましたので、反省です。
自分の能力や知識を売り込みつつ、信頼をかち得る。いい言葉ですね。元気がでます。

>実は私も、日本人上司の英語には苦労したクチです・・・(苦笑)。

上司の英語(日本語もですが)は、その部下の方々も当然真似て使うのでやっかいですよね
(苦)。上流を押えておかなくちゃ、なんて思ったりします。

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Re:インプットとアウトプットソーデン 5997/29-23:30
 記事番号596へのコメント

nicoさん、kyotagさん、こんばんは。


|上述のアウトプットもインプットも、言換えれば、製品がどうしたら売れる
|かに関する suggestion のことです。

専門的な内容でない限り、この把握(言い換え)こそを訳すべきだと思います。
上司に対しては、次の対策をとってみてはいかがでしょう。

●実質を表す単語、より具体的な意味を持つ単語を使う方がリスクが少ないことを
説明する。
●その際には、日本語とその訳語だけを提案するのではなく、日本語から日本語へ
の言い換えを見せておく

(例)
(1)「即戦力の人材」→「トレーニングの必要がない人」「すぐに結果を出せる
人」
one who knows basics of
one who is capable of bearing immediate results
(2)「遠慮する」→「他を優先させる」
to give priority to (needs of other people)
(3)「気合を入れる」→「集中する」
to concentrate

日本語とその訳語だけを上司に見せると、「辞書で調べたら『即戦力』は
adaptable fighting potential だった。」とか「『遠慮する』は refrain で
はないのか。」あるいは「『気合』は spirit の方がよいのではないか。」など
面倒な話になる可能性があります。



|自分と相手の区別ができていないとか、位相が逆とか、相手とモノの区
|別ができていないとか、いろいろな問題がでてきます。

この部分の意味がよくわかりません。「あなたのマイ・カー」のような表現のこと
ですか?




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Re:インプットとアウトプットnico 6007/30-00:49
 記事番号599へのコメント

ソーデンさま、皆様こんにちは。
アイデアを頂き、感謝にたえません。ありがとうございます。

>専門的な内容でない限り、この把握(言い換え)こそを訳すべきだと思います。

そうですね。よかった。これからは自信を持ってそのように臨みます。

>●その際には、日本語とその訳語だけを提案するのではなく、日本語から日本語へ
>の言い換えを見せておく

ソーデンさんの(例)、たいへん参考になりました。ありがとうございます。
私も業務の合間に、密かに社内用語(上司の言葉遣い?)や業界用語の日日翻訳を書留めたり
しています。翻訳するよりも、こちらの方がずっと大変な作業です。

(例) 「〜を意識する」→「〜を念頭におく」「〜に注意して事を進める」
      try to think, be noted
   「マーケットへの露出」→「バイヤーへのアピール」
      appeal to the target buyers

のような具合です。下手でおはずかしいですが...。
実は過去に訳してと依頼された文章を日日翻訳して、できるだけ失礼のないように、と思
いながら英文と一緒にお返ししたことがあるのですが(その方は上司ではありませんが)、
あまり良い印象を持たれなかったようでしたので、その後は怠っておりました。きっとや
り方がまずかったのでしょうね。

>日本語とその訳語だけを上司に見せると(中略)面倒な話になる可能性があります。

幸い、私の場合は今のところ、そういう経験はないのですが、可能性は十分です。
以前会議時に、外国人が In the worst case senario,... と発言し、「最悪の場合は」
と訳したところ、「(アプリケーション作成時の)シナリオ定義のことを言っているのでは
ないか。」と指摘を受けたことがありました。

>|自分と相手の区別ができていないとか、位相が逆とか、相手とモノの区
>|別ができていないとか、いろいろな問題がでてきます。
>
>この部分の意味がよくわかりません。「あなたのマイ・カー」のような表現のこと
>ですか?

私が目にするのは、例えばですが、以下のような例です。

協力会社に○○と××に関する業務を依頼するのですが、すでに納期は決っているにも関
わらず、○○をこちらから引渡すのが遅れるかもしれず、その場合は相手に負担をかける
ことになります。しかし、すでに引き渡し済みの××に関する作業を先に行ってもらい、
○○が納入され次第作業に取りかかってもらえば、納期を遅らせずに済む、という状況
で、
                ↓
「○○の納入は延期される可能性があるが、××の作業もあるため、この納期で対応可能
であると判断する。」

のような日本語の文章が出来上ってきます。
執筆者は、○○の納入遅延の責任は自分たち、××の作業を行うのは相手、対応するのは
相手、判断するのは自分、という明確な認識を持たずに日本語で考え、書いているため
に、いざ英語で書いてみると、動作主がすべて I だったり、はたまた it になっていた
り、ということがよくあるようです。
なんだか上手くご説明できなくて、恐縮なのですが...(苦)。

長くなってしまい、すみませんでした。

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Re:インプットとアウトプットソーデン 6158/2-13:07
 記事番号600へのコメント

nicoさん、こんにちは。

|密かに社内用語(上司の言葉遣い?)や業界用語の日日翻訳を書留めたり
|しています。翻訳するよりも、こちらの方がずっと大変な作業です。

訳せそうにない日本語の文章/表現への対応方法は、今のところ、文分割と日日翻訳による日本
語段階での処理しかないと思います。したがって、母国語である日本語は、我々が日英訳をする
際の重要なリソースとなります。

また、英語ネイティブ者と比べて日本語ネイティブ者に強みがあるとすれば、このリソースを利
用できることくらいでしょう。これを徹底的に、上手に、活用すべきですね。 

|英文と一緒にお返ししたことがあるのですが(その方は上司ではありません|が)、あまり良い
印象を持たれなかったようでしたので、

日日翻訳は原文の添削ではなく、英訳をするためのステップであることを事前に説明して、本人
の了承を得ておけばよいのではないでしょうか。

|なんだか上手くご説明できなくて、恐縮なのですが...(苦)。

森田良行 著「日本人の発想、日本語の表現」(中公新書)

日本語では、どうして客観的叙述がしにくいのかについて、その理由が詳しく説明されていま
す。

P.S.
We welcome any output (you can generate) in this brainstorming session.

確かに名詞の output は、information や idea の意味では、使えそうで使えませんね。これ
しか考えつきません。

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Re:インプットとアウトプットnico 6178/4-21:14
 記事番号615へのコメント

ソーデンさんは No.615「Re:インプットとアウトプット」で書きました。
>森田良行 著「日本人の発想、日本語の表現」(中公新書)
>
>日本語では、どうして客観的叙述がしにくいのかについて、その理由が詳しく説明されていま
>す。

今日近所の書店で探してみたのですが、あいにく店頭にはありませんでした。
目録の解説を見ましたが、ぜひ読んでみたいと思います。
紹介して下さってありがとうございました。

>We welcome any output (you can generate) in this brainstorming session.
>
>確かに名詞の output は、information や idea の意味では、使えそうで使えませんね。これ
>しか考えつきません。

はい、冷静に考えてみるとやはりそうだと私も思いました。

いろいろ考えましたが
We welcome your team's output as your input to us.
では格好悪いし、
We wish your team's output to be informative and full of suggestions to us.
くらいしか出てきませんでした。
ソーデンさんのセンテンスのほうがずっとスマートですね。

私の印象では、コンピュータの世界で「アウトプット」と言えば副意識的に「出力」の意味が込められて
おり、さらに「出力」はプログラムのいわば「当然の帰結」であることから、どうも「成果」や「アイデ
ア」のようにはうまく generate と結びつきません。本来人間の「思考」によって得られるべきものをや
はり output と表現するのが無理なのかもしれません。

言葉を補っていただいたおかげで、少し自分の頭が整理できました。






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output=commentsでいかがでしょうかkyotag 6198/5-13:33
 記事番号617へのコメント

こんにちは。
またまた蛇足になってしまうかもしれませんが・・・。

Thank you for your input, in advance.
Your comments are greatly appreciated.
Your questions, comments, suggestions, etc. are always appreciated.

よく会議の招集時や、何か文書を提出する際などに使われる表現です。Appreciate も Welcomeと同じくらいか、
それ以上によく使われますよね(Welcomeよりも、多少「お願い」のニュアンスが表現できますし)。また、アウト
プット・インプットから少し離れて、commentsというのはいかがでしょうか。よく使われる表現ですし、インプッ
トに対するコメントですから、inputに対するinput、とするより自然かなと思いました。

kyotag


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Re:output=commentsでいかがでしょうかnico 6208/6-22:48
 記事番号619へのコメント

kyotagさま、皆様こんにちは。お世話になります。

>こんにちは。
>またまた蛇足になってしまうかもしれませんが・・・。

とんでもないです。いろいろ教えていただき、ありがとうございます。

>アウトプット・インプットから少し離れて、commentsというのはいかがでしょうか。

はい、そのような言い換えを実践したいと思っています。
和製英語から離れられなかったことと、話者・執筆者の訳文への期待に必要以上に囚われすぎていたのが問題だったと思いま
す。冷静に指摘していただいたり、言葉を補っていただいたおかげで、自分のどこがおかしかったか少しずつわかってきまし
た。ありがとうございました。