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-翻訳には、やはり専門知識が必要- 南都隆幸(4/28-15:02)No.885
 ┣Re:翻訳には、やはり専門知識が必要- アクアブルー(4/28-17:51)No.887
 ┣Re:産業翻訳の潜在需要- Guava(4/28-19:10)No.890
 ┣Re:翻訳には、やはり専門知識が必要- からん(5/1-00:38)No.892
 ┗Re:翻訳には、やはり専門知識が必要- ねこどす(8/6-18:35)No.914


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翻訳には、やはり専門知識が必要南都隆幸 E-mail 8854/28-15:02

新しいスレッドを立ち上げさせて下さい。下の方のスレッドは、あま
りに複雑になり、あとから来た人が読みづらく感じるかもしれない
し、私自身が今まで、誤解されやすい書き方をしたため、新参者が思
い違いをしてもいけないので、ここであえて、はっきりと目立つ形で
私の考えを述べるため、新しいスレッドを立ち上げる次第です。この
コメントは、このページの下の方にあるstzz さんの「内容が解らなく
ても翻訳はできる」(投稿時刻:2004年4月28日09時18分)というコメ
ントへの返答です。

stzz さん、私のコメントに感動してくださるとは、うれしいです。で
も、残念ながら、私は「内容がわからなくても翻訳はできる」とは、
いっさい書いておりませんし、そう思ったこともありません。

でも、「相談室」での楊貴妃さんや、この「喫茶店」での Buckeye さ
んがいみじくも仰せの如く、私があたかも「内容がわからなくても翻
訳はできる」と言っているかのように解釈されてもおかしくはない、
ということは言えます。誤解を生むような書き方をしてしまって、申
し訳ないことです。

stzz さんがどのような考え方をしようと、決してそれについては良し
悪しを判断しようなどとは、私は思いません。stzz さんのおっしゃる
ことには、一理も二理もあると思います。でも、私は別の考えを持っ
ています。私はあくまで、専門分野の勉強は大いに必要だと思いま
す。

というよりも、本来は、Buckeye さんや山岡洋一さんのような方だけ
が翻訳をする資格を持つのだ、とさえ思っています。でも残念なが
ら、産業界、ひいては人間社会はそれほどまでは進化しておらず、低
レベルに甘んじなければならないのです。その結果、私のような低レ
ベルの翻訳者でも、今までお仕事を頂いてきた、というのが現状で
す。

私は決して、私程度で十分なのだ、とか、私が「十分に翻訳ができて
いる」などとは思っておりませんし、そういうことが言いたかったの
ではないのです。私は、自分の得意分野であるはずの英語でさえ、ろ
くにわからないのです。ましてや、自分が得意としていない分野、つ
まり法律とか経済とか工学については、まるっきりわかりません。で
も、少しでもわかるようになろうと、何十年にもわたって苦闘してき
ました。

私は確かに、「私はほとんど工学や法律などという専門の知識がない
けれども、仕事をもらい続けてきた」という意味のことを書いてしま
いました。でもそれは、何と言えばいいのでしょうか。いわば私は、
田舎町の大衆食堂の親爺みたいなもんなんです。外にはお客さんが列
を作って、私の食堂にある席が空くのを待っていてくれるくらいに、
私の店は繁盛しています。でも、それはあくまで、「田舎の大衆食堂
にしては質がいい、価格も手ごろ、愛想がいい、便利」というだけの
ことなんです。(お断りしておきますが、決して私は、田舎をバカに
しているのではありません。)

私はこれをもって、「だから私は料理がきちんと出来ているのだ」と
は思いません。東京の銀座やフランスの五つ星レストランに行けば、
私の料理などは、箸にも棒にもかかりません。私は自分のレベルがど
のていど低いのか、あるいはどの程度ならこなせるほどのほどほどの
高さであるかを知っています。

翻訳に話を戻しますと、私は「私程度の人間でも翻訳ができる」とは
言っていません。私が言っていたのは、「私程度の人間にも翻訳の仕
事が回ってきた」ということです。そのくらいに、産業翻訳界におけ
る顧客の品質レベルのニーズは、少なくとも今までは低かったという
ことです。顧客が求めている品質レベルが今までたまたま低かったか
らといって、「翻訳にあたっては、内容が理解できなくてもいいんだ
よ」と開き直るつもりなど、私にはさらさらありません。

産業翻訳者である限りは、言語能力と専門知識との双方において常に
切磋琢磨すべきであることについては、この「喫茶店」でも、「相談
室」でも、この2ヶ月ほど、私は本名である「南都隆幸」という名前を
使って書いてきました。3年ほど前には、Jennie とか、その他のいろ
んなハンドル名を使って、それに似たことを書いていました。

書けば書くほど、またもや誤解されそうですけど、また別の機会に、
補足説明します。今回は、この辺で。きちんと簡潔明瞭に、あらゆる
人にきちんと解るように文章が書ければいいのですが、なかなかうま
くいきません。仕方がないので、必要とあれば、何度でも、繰り返し
繰り返し、この問題については書いていきたいと思います。

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Re:翻訳には、やはり専門知識が必要アクアブルー 8874/28-17:51
 記事番号885へのコメント

南都さん 

>産業翻訳者である限りは、言語能力と専門知識との双方において常に
>切磋琢磨すべきである(以下省略しました)

これにつきるのではないでしょうか。

>誤解を生むような書き方をしてしまって、申し訳ないことです。

私は、「内容がわからなくても翻訳はできる」などと誤った解釈をし
ませんでしたので、ご心配なく。いつも南都さんの投稿で、「私も頑
張らなくっちゃ」と励まされております。

アクアブルー

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Re:産業翻訳の潜在需要Guava 8904/28-19:10
 記事番号885へのコメント

南都隆幸さんは No.885「翻訳には、やはり専門知識が必要」で書きま
した。


こんにちは。
いつも興味深く拝見しております。
南都さんのおっしゃること、もっともだと思います。

産業翻訳に必要な専門知識は、翻訳対象によってさまざまで、
中には、あまり専門知識がなくても十分に翻訳作業ができるものもあり
ます。

一方で、十分な専門知識がなければ翻訳するのが難しいものも数多くあ
ります。産業界でやりとりされるドキュメント類の多くが、専門家(同
業者)を対象としたものであることを考えれば当然のことです。

産業界の翻訳需要のうち、エージェントを通じて我々のところに届くの
はどの程度の割合なのかなと考えることがあります。
私自身、会社員時代に翻訳会社を使ったことがありますが、その品質に
は必ずしも満足できませんでしたし、また、「翻訳に出しても、良い物
が出来ない」といって、そもそも翻訳を外注しないことも多くありまし
た。これは、私の周りだけでなく、多くの企業で見られることだと思い
ます。

産業翻訳の潜在需要はもっと多いのかもしれません。


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Re:翻訳には、やはり専門知識が必要からん 8925/1-00:38
 記事番号885へのコメント

翻訳における専門知識の重要性は、英訳と和訳では少々事情が違うので
はないかという気がします。

英訳の場合は、stzzさんがおっしゃっていることもあてはまるような気
がするんです。クライアントが納品物のどこに重きを置くかにかかって
くるんですが、自然な英語、読んで違和感の無い英語を求めているとこ
ろにとっては、専門知識をかなり備えた日本語ネイティブの英訳より
も、専門知識では劣っても(基本知識をおさえて)自然な英語を書く英
語ネイティブの訳を好むところもあるでしょう。

感覚的には、英訳の発注をするところは後者の方が多いような気がする
のですが・・・。

- 専門知識をかなり備えた日本語ネイティブの英訳がどの程度不自然か
- 専門知識はそれほど無いが英語ネイティブの書く英訳がどの程度原稿
の内容を適切に把握しているか

という比較になると、これは難しいというか、案件別に状況はさまざま
なので比較は不可能なのですが・・・。結局、現実的には個々のクライ
アントの要件を満たす翻訳がいい翻訳ということになるんですかねぇ。

いずれにしても、専門知識、英語表現、両方勉強が必要なことには、か
わりがありません、ハイ ^^;

からん

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Re:翻訳には、やはり専門知識が必要ねこどす URL9148/6-18:35
 記事番号885へのコメント

ずいぶんな長いコメントですね。

>でも、私は別の考えを持っ
>ています。私はあくまで、専門分野の勉強は大いに必要だと思いま
>す。

専門分野の勉強は必要です。特に新規参入組には必要です。私が悲しく
思うのは、採用に際し、言語感覚よりもむしろバックグラウンドを重視
する向きがあることです。

専門分野の知識は解説付きの専門辞書や解説書を読めば時間はかかるに
せよ必ず身に付きます。ところが、言語感覚というものは生まれ付きの
もので、後から身につけることはできないのです。努力してある水準ま
で達することはできても、生まれ付き言語感覚が備わった人にはかない
ません。

それをどの翻訳会社も認めようとしません。ですから私はある人からア
ドバイスを受け、自ら翻訳会社をつくりました。誰も仕事を発注してく
れない場合、自ら営業するしか仕事を得る手だてはありません。

私はデビュー当時から直請けです。なぜかというと高卒で、英検の級や
TOEICのスコアを持っていないからです。ですからデビューの頃から他
の翻訳者さんより高いレートで仕事をしています。

私の会社関係者の中では、私が一番年齢が低く、キャリアも短いです。
現在では幸い良い方々と一緒に仕事をしています。先輩の訳文を見て勉
強させて頂いています。私に仕事を発注しなかった日本の翻訳会社に感
謝すべきかもしれません。

海外では事情は異なります。海外のエージェントからは仕事を頂いてい
ます。