翻訳なんでも相談室 
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◇┳納品後の翻訳の修正の割合?-投稿者:ありか(10/18-23:08)No.1505
 ┣━Re:納品後の翻訳の修正の割合?-投稿者:セロリ(10/19-11:59)No.1509
 ┗┳Re:納品後の翻訳の修正の割合?-投稿者:EB(10/19-12:29)No.1510
  ┣┳Re:納品後の翻訳の修正の割合?-投稿者:セロリ(10/19-14:34)No.1511
  ┃┗┳Re:納品後の翻訳の修正の割合?-投稿者:EB(10/19-15:34)No.1513
  ┃ ┗┳Re:納品後の翻訳の修正の割合?-投稿者:セロリ(10/19-15:59)No.1515
  ┃  ┗━Re:納品後の翻訳の修正の割合?-投稿者:EB(10/19-17:04)No.1517
  ┗━ありがとうございました。-投稿者:ありか(10/19-21:12)No.1520


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納品後の翻訳の修正の割合?ありか 150510/18-23:08

みなさん、はじめまして。

私は社内でソフトウェア マニュアルの翻訳をしていますが、
今回、初めて他の翻訳会社からのお仕事をさせて頂きました。

納品後自分の翻訳の出来が非常に気になっていたので、問い合わせたとこ
ろ、その翻訳会社が校正後クライアントに納品したものを送ってくれまし
た。

自分の翻訳と照らし合わせたところ・・。いわゆる誤訳というような、意味
が違っているところはありませんでした。ただ言い回しや文中の語順などは
かなり直されている気がしました。
どのくらい直されていた、というのを把握するのは難しいですが、例えばA4
1ページで数箇所のみ直されているページもあれば、3割くらい直されてい
る、と感じるページもありました。

普段は社内翻訳で、内容の間違いがなければあまり直されることはありませ
ん。なので、今回かなり自信を失った、というかショックを受けています。

皆さんは納品後に自分の翻訳がどのように直されたか確認していますか。文
面などには多少個人的な好みもありますので、全く直しが入らないというの
は不可能だと思いますが、どのくらいまでが"許容範囲”なのでしょう
か。。

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Re:納品後の翻訳の修正の割合?セロリ 150910/19-11:59
 記事番号1505へのコメント

ありかさん、はじめまして。在宅フリーになってやっと1年、その前は
短期間ですが社内翻訳の経験もあります。社内翻訳では直されることが
ないだけに、これでほんとにプロとして通じるのだろうかと、却って
不安でした。

一方、翻訳エージェント会社から仕事を頂くようになると、きちんと
フィードバックしてくださる会社の場合、すなわち訂正のかなり入った
自分の翻訳を見て、客観的に読むと洗練されるもんだな、と訂正をありがたく
思ってます。翻訳チェックを時々依頼される場合もありますが、なるべく
元の翻訳者の方の訳をそのまま生かしたいとは思うものの、手を
入れ始めると少しだけとはいかない場合も多く、かなり赤が多く
なってしまいます。

というわけで、ベテランの方を別として訂正されるのはかなり当然と
思っています。産業翻訳者は複数でひとつの商品を作り上げて行く
その一員だと思っていますし、チェックしてもらってさらに売れる商品の
コツを教わる機会は貴重だと考え、ショックを受けたり自信を失ったり
しないでほしいな、と思うのですが。


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Re:納品後の翻訳の修正の割合?EB 151010/19-12:29
 記事番号1505へのコメント

ありかさん、こんにちは。
私は翻訳会社の社内翻訳者として勤務しています。

ありかさんご自身やセロリさんがお書きになっているように、
誤訳はなくても、読みやすくするためや(クライアントの)
好みの問題で、訂正やリライトすることはよくあります。

読みやすさのためのリライトであれば、その箇所には吸収すべき
翻訳技術がたくさん隠されているはずですので、有益な情報を
頂いたと思って、どこが直されたのか真摯に向き合って下さい。

また、好みの違いによる訂正に関しては、それほど神経質に
受け取ることはありませんが、エージェントやクライアントの
好みに合わせるというのもプロの技量なので、やはり積極的に
それらの好みを反映させるべく努力して欲しいと思います。

あなたにとっては単発の仕事でも、クライアントやエージェントに
とってはシリーズ物である場合が往々にしてあります。
その場合、シリーズ全体の用語統一の観点から、本来であれば
特に訂正の必要のないところにまでチェックが入るかもしれません。

翻訳は孤独な仕事ではありますが、決して一人で行っているわけでは
ありません。「誤訳がない」「読みやすい」はプロとして
当然のことですが、「相手に合わせる」ということも重要なことだと
覚えておいて損はないと思いますよ。


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Re:納品後の翻訳の修正の割合?セロリ 151110/19-14:34
 記事番号1510へのコメント

EBさん、翻訳会社内部の方からの貴重なご意見として、いつも大変
ありがたく読ませて頂いています。前のコメントにも書きました
ように、チェックを受けることは自身の向上のために何より必要な
こととフィードバックを楽しみにしているくらいなのですが、時々
このように言ってはなんですが、チェッカーの方の方が英語力が
劣るのではないかと思う事があります。

具体的に最近の例ですとある事業企画書の翻訳で、これは資本投資
をよびかけるものですからいかに企業が良い戦略構想を掲げているか
をアピールしたいのではないかと思うのです。
で、その中でプロジェクトチームのメンバーのことを「committed
member」と言及しており、これを私は「熱意あるメンバー」と訳した
ところ、チェッカーの方からcommitには「委任する」という意味しか
ないからこれは「委任を受けたメンバー」ではないかと注意が
ありました。でもcommitには再帰的用法があり、ビジネス技術実用
英語大辞典や英辞朗には「献身的な」とか「熱意ある」といった
意味が書かれています。その時はそのように説明しましたが、こうして
チェッカーの方とコミュニケーションがなかったら、不適切な訳に
訂正されるのではないかとちょっと心配になりました。実力がついたら
徐々にソースクライアントとの直接取引きに変更していこうと考え
始めたのもそれが契機です。内部の方のご意見を何か聞かせて頂けると
うれしいです(お忙しいのにすみません)。


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Re:納品後の翻訳の修正の割合?EB 151310/19-15:34
 記事番号1511へのコメント

セロリさん、こんにちは。

セロリさんは No.1511「Re:納品後の翻訳の修正の割合?」で書きました。
>その中でプロジェクトチームのメンバーのことを「committed
>member」と言及しており、これを私は「熱意あるメンバー」と訳した
>ところ、チェッカーの方からcommitには「委任する」という意味しか
>ないからこれは「委任を受けたメンバー」ではないかと

問題の企画書を読んだわけではないので断言はできませんが、
そのプロジェクトのために身を投じる「専任の」メンバーというのが
一番無難かな、と感じました。先方は、「熱意ある」という表現が
大げさだと思われたのでしょうね。日本人は何でも控えめに表現する
習慣があるせいだと思いますが、単に「委託を受けた」だけというのも
変ですよね。


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Re:納品後の翻訳の修正の割合?セロリ 151510/19-15:59
 記事番号1513へのコメント

EBさん、ありがとうございました。そういう訳し方もあるんですね。
またひとつ、勉強させていただきました。


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Re:納品後の翻訳の修正の割合?EB 151710/19-17:04
 記事番号1515へのコメント

結局、どういった訳語にするかは、その文書の内容や目的に応じて
臨機応変に判断するしかないですよね。でも、文書そのものが
短くて全体像が見えないときなどは本当に困ります。

> チェッカーの方の方が英語力が劣るのではないかと思う事がある

肝に銘じておきます(^^)
こういう話題で常に感じることは、自信を持つことと
過信は違う、ということですね。私も翻訳会社の人間として
慢心することなく努めていこうと思います。


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ありがとうございました。ありか 152010/19-21:12
 記事番号1510へのコメント

セロリさん、EBさん、御返事ありがとうございました。

私も普段は社内でフォードバックがもらえないことに常々不満を抱いていた
ので、最初は「ありがたいなあ」と思って受け取ったのですが、、何しろ初
めての経験でしたので、読んでいる内に自分の翻訳と違う個所を見つける度
にどんどん不安になってきてしまいました。でもお二人のコメントを拝見
し、前向きに受け止め自分の翻訳に活かしていこうと思いました。
・・というよりこんなことで落ち込んでいては翻訳者としてやっていけない
ですよね。

冷静に比べてみると、確かにリライト後の方が読み易い、と反省する部分
と、正直言ってこれは私の訳でも良いのでは、と思う部分と両方あります。
ただ後者に関しても、EBさんのおっしゃる通り、クライアントの好みを把握
してのことだと思いますので、これは今後の仕事に役立てたいと思いま
す。 (今回の仕事はEBさんのおっしゃる通りまさにシリーズ物でした。)

余談ですが、今回他社の仕事をしてみて本とに勉強になりました。普段はソ
フトウェアの翻訳をしているのですが(今回は業界が少し違いました)ソフト
業界では当たり前のように使用されているカタカナ用語を使用してしまっ
て、それが直されていたり。「業界の常識」にとらわれず、相手の身になっ
た翻訳を心がけねば・・と改めて思います。
・・でもやっぱり翻訳って面白い。。ますますはまってしまいました。。