記事番号1645へのコメントかわせみさんは No.1645「内税or外税?」で書きました。
>在宅翻訳者として稼動し始めたばかりの者です。
>大変基本的なことなのですが、先輩翻訳者の皆さんは翻訳料金
>の請求時に消費税は外税かまたは内税かどちらで請求なさって
>いるのでしょうか。この点については通常エージェンシーとの
>話し合いで決まるものなのでしょうか。
そうだと思います。
>わたしの場合、はじめて取引したエージェンシーに対して
>悩んだ挙句、内税にしたのですが・・・。初心者の質問で申し訳
>ないのですが、アドバイスいただけたら幸いです。
消費税のエキスパートではないので、厳密なアドバイスではないので
すが、翻訳のお願いもしているので、私が税理士や会計士に聞いた範囲
では、消費税法には一種の欠陥があり、どう取り扱うかははっきり決め
られないようです。
エージェンシーが一定以上の規模であれば、そのエージェンシーの会
計上当然消費税の計算をしていると思います。黙っていれば、自動的に
内税計算しているような気がします。
しかし翻訳する側にとっても、厳密には消費税は預かり税金ですか
ら、契約金額とは別のものです。契約に消費税に関する項目がなけれ
ば、当然外税で請求することができるはずです。受け取っておいてそれ
を税務署に納付する義務があるからです。
しかし現状では、3000万円以上の売上がない場合は納付義務がないは
ずですから、消費税を受け取ると、いわゆる「益税」となり、私などは
何となく気がとがめます。しかし益税は違法ではなく、単なる制度の不
備に過ぎません。さらに、例えば辞書やパソコンといった経費にも消費
税は含まれており、それらは消費していない(生産財です)ので消費税は
払う必要はないのですが、消費税を請求しないとそれを相殺する手段が
ありません。
というわけで、外税で請求するのが制度上は正しい扱いのような気が
します。ここからは実際上の問題になりますが、それでエージェンシー
がどういうかは別問題です。制度的には支払う義務があっても、それだ
けコストが大きくなることは間違いないので、いやな顔をするところも
あるかもしれません。今後の関係を考える必要があるかもしれません。
「消費税を一緒に請求させてもらっていいか」と聞いてみるというこ
ともできますし、関係によっては黙って外税で請求し、向こうからク
レームが付いたら「それでは内税で結構です」と応えるという方法もあ
るかもしれません。しかしこれからは、受注時に、契約金額の他に消費
税を請求させていただきますがよろしいですね、と最初に確認される方
がいいかと思います。
なお大蔵省は、今後の税率引き上げに備えてか、店頭での表示の内税
化を義務付ける意向だそうです。将来的には内税が当たり前になり、さ
らに税率が上がるという、困った状況になるかもしれません。