翻訳なんでも相談室 
メール配信サービスを開始 停止 e-mailアドレス

[記事表示に戻る] [ツリートップの表示に戻る]

◇┳特許翻訳の世界-投稿者:みのむし(7/9-01:00)No.2647
 ┣━Re:特許翻訳の世界-投稿者:ベロリータ(7/9-05:43)No.2648
 ┣┳あなたが正しい!!!-投稿者:マツボックリ(7/9-17:22)No.2652
 ┃┗━あなたが正しい!(その2)-投稿者:マツボックリ(7/9-17:25)No.2653
 ┣━修士が必要?-投稿者:天晴(7/9-18:59)No.2654
 ┣━Re:特許翻訳の世界-投稿者:ポフ(7/9-19:54)No.2655
 ┣━経験と知識について-投稿者:kyotag(7/10-00:36)No.2661
 ┣━修士課程を終えて得られたもの-投稿者:えりこ(7/10-13:26)No.2663
 ┗━Re:特許翻訳の世界-投稿者:LimaLima(7/10-21:54)No.2667


トップに戻る
特許翻訳の世界みのむし 26477/9-01:00

こんにちは。みのむしと申します。
現在、あるメーカーでエンジニアをしていますが、将来は産業翻訳者に
なりたいと思っています。
翻訳に関わる仕事に転職して少しでもステップアップを図りたいと思い、
先日、ある特許翻訳の事務所の面接に行きましたが、想像していたのと
かなり違った世界にカルチャーショックを受けてしまいました。
まず、面接をしてくださった方曰く、理系で修士以上の資格を持っていない
と海外の特許翻訳事務所には相手にされないとのこと。
わたしは理系の学部卒ですが、将来本気で翻訳者になるのならゆくゆくは
大学院にも通った方が良いということでした。
会社に勤めた経験のある方ならほとんどはおわかりでしょうが、大学で
学んできた知識が生かせる仕事に就ける方はまれだと思います。
実際、わたしもそうでしたし、会社に入ってから大学時代の10倍は勉強
していると思っています。
また、最先端の知識・技術をもつという意味でも、大学で教えている内容
よりも実際の企業で仕事、商売としてやっている人達の方がよっぽど進ん
でいると思っています。
学部卒でも修士卒でも会社で仕事する上での能力で差はない、というのが
私のこれまでの実感でしたので、大変ショックでした。
また、今やっているエンジニアの仕事は「頭を使っていない」という様な
ことを言われもしました。
個人的には、特許内容を翻訳する技術者よりも、特許発明を考える技術者
の方がよほど冴えていると思うのですが。。。
端的に言うと、特許翻訳と言うのは「学者肌・研究者」的な世界の気が
しています。
良く言えば、知的好奇心が強い方が多いのでしょうが、悪く言うなら
とても教養・学歴に対するプライドが高い印象を受け、とても翻訳の世界
に飛び込む自信がなくなってしまいました。
この印象は正しいですか?
これは、特許翻訳に限ったことなのでしょうか?

長々と愚痴めいたことを書いてしまって申し訳ないですが、翻訳者の方の
ご意見をぜひお聞かせください。

トップに戻る
Re:特許翻訳の世界ベロリータ 26487/9-05:43
 記事番号2647へのコメント

>良く言えば、知的好奇心が強い方が多いのでしょうが、悪く言うなら
>とても教養・学歴に対するプライドが高い印象を受け、とても翻訳の世界
>に飛び込む自信がなくなってしまいました。
>この印象は正しいですか?
>これは、特許翻訳に限ったことなのでしょうか?
>


駆け出し産業翻訳者(特許ではありません)です。私もみのむしさんと同様な印象
を持っています。
しかも、この業界を知れば知るほどこの思いは強くなっていて、でも、仕事まで嫌
いになりたくないので、そのことには「目を瞑る」ことにしています。
好きで選んだ仕事、ひたすら文字と向かい合っている時はこの上なく幸せです。 
しかし、それが具体的にどういうとき、というのは書きませんが、業界自体は、ス
ノッブな世界かも…と「とても」思っています。そして、その「スノッブ」さには
染まらないようにしようと思っています。

みのむしさんへのお答えにはなってないですね。ごめんなさい。


トップに戻る
あなたが正しい!!!マツボックリ 26527/9-17:22
 記事番号2647へのコメント

みのむしさん、こんにちは。

(このサイトを統括しておられる管理人の方々へに申し上げます。
もし私のこの文章における口調が少し激烈であり、
産業翻訳者をこきおろすようなことがあっても、どうかお許しください。
私自身も産業翻訳者ですが、自戒をも含めて、そして「みのむし」さんを
力づけるために、産業翻訳者一般を強く批判しました。どうぞ私の趣旨を
ご理解くださいますよう、お願いいたします。)

私は、みのむしさんが、エンジニアという素晴らしいお仕事に
就いておられながら、
なぜ産業翻訳者というダサイ仕事におつきになりたいのか、
理解できません。「産業翻訳」はダサイ、と申しましたが、
私自身が産業翻訳者として15年やってきました。英文科の学部卒
です。いつも私は、エンジニアや科学者の方々に劣等感を抱きつづけて
きました。産業翻訳者がエンジニアになりたいと考えて頑張るのなら
話がわかるのですが、なぜたくさんのエンジニアの方が産業翻訳
の世界に入ろうとなさるのか、いつも理解できませんでした。

(断っておきますが、私自身は英語を初めとして言語が大好きで、
それ以外のことはやりたくないので、今の仕事についています。
ですから、イヤイヤながらこの仕事についているのではありません。
私には向いている仕事です。)

特許翻訳事務所の方が、理系の人間なら修士でないと特許翻訳では
相手にされないとおっしゃった、とのことですが、そんなくだらない
世界になど入らなくてよろしいと存じます。もしどうしてもエンジニアから
産業翻訳者に転身したいとお考えであったとしても、産業翻訳の世界は
広く、いろいろな分野がございます。私は残念ながら、理系の人たちが
特許翻訳以外の産業翻訳者として働くときに必要とされる資質は何か
をよく知らないのですが、もし外国語と日本語との力が
ある一定水準に達しているのであれば、問題ないと存じます。
それどころか、外国語のできる理科系の方々は、産業翻訳界には
もったいない存在です。

しつこく申しますが、産業翻訳界のほうがあなたのような理系の方々
を「選ぶ」のではなく、反対に理系のあなた方が産業翻訳界の
分野や会社などを選ぶのが筋です。したがって、特許事務所の方が
おっしゃったことは、私にとっても驚きです。きわめて意外です。
そんな、大したこともできないくせに、でかいツラをしている連中は、
相手にしなくてよろしい、と存じます。

次に、大学院に関してですが、私には何ともいえません。私も大学院
に行っていないからです。でも私は、みのむしさんと違って、大学院卒
でないことにコンプレックスを持っています。でも、現実の職業生活に
関して言えば、みのむしさんのおっしゃるように、大学を出た後に
会社などを通して学生時代の10倍は勉強した、というお考えに
私自身は賛成です。

また、「今のエンジニアの仕事では、頭を使っていない」という
特許事務所の方の言葉も、あまりに無茶苦茶だと思います。
みのむしさんのおっしゃる通り、特許文献を翻訳する人よりも、
発明する技術者の方が冴えているに決まっています。

そんな、特許事務所の人のようなくだらない人の言葉にショックを
受けるのは、もったいないです。そのような馬鹿の言うことには
耳を傾けることなく、ご自分の信じるように生きていってください。

すでに述べましたように、私は理科に弱い、英語だけをやってきた
人間なので、理科系の人たちが産業翻訳者として特許翻訳の世界で、
あるいはそれ以外の分野の産業翻訳の世界で何が求められているか
については、よくは知らないので、一面的なコメントしかできません。

でも、何度も申します通り、外国語のできる(それだけでなく翻訳に
興味を持っていらっしゃる)エンジニアである「みのむしさん」は、
そこら辺にウロウロしている文系の産業翻訳者の10倍は優れています。
文系の産業翻訳者(商業文献も理科系の文章も両方とも請け負っています)
としてそれなりのベテランであるつもりの私が
そう言うのですから、説得力があるでしょう?私は、私のような
大して理科がわからないくせに理科系の文献を変な外国語に訳しまくっている
人間を、みのむしさんのような外国語を愛するエンジニアたちが、
よい翻訳を生み出して、それによって私たちのような中途半端な
「えせ翻訳者」を駆逐してくださることを期待しています。
自分を否定するようで変ですが、それが私の本音です。

<<< 文章が長すぎる、とのメッセージが出ました。別のファイルに
続きます >>>


トップに戻る
あなたが正しい!(その2)マツボックリ 26537/9-17:25
 記事番号2652へのコメント

「えせ翻訳者」を駆逐してくださることを期待しています。
自分を否定するようで変ですが、それが私の本音です。

この文章により、私のような、いい加減な翻訳者ではなく、本当に
優れた文系翻訳者たちが気を悪くされたら、申し訳ないと思いますし、
何もこのように激烈な書き方をしなくてもいいではないか、と
<<< 前の文章からの続き >>>

・・・私としては、みのむしさんにぜひ、
ご自分がいかに素晴らしい人間であるかを再確認してほしい、という
思いがあまりに強かったので、このような書き方をしてしまいました。

産業翻訳者のみなさんには、申し訳ないことをしました。
気を悪くされたら、ごめんなさい。

みのむしさん、他に何か尋ねたいことがあれば、
何なりとお尋ねください。
私は、ある一面からしかこの問題については
意見を述べることができませんが、そのような私でよければ、
いくらでもご相談に応じます。

マツボックリより


トップに戻る
修士が必要?天晴 26547/9-18:59
 記事番号2647へのコメント

必要だとしても、それは書類選考段階だけの話だと思います。
貴方も記述されている通り、業務を期限内に、しかも顧客にお金を払って貰える
品質で完成させる能力は入社してから実際やって身に付けられると私も思うからで
す。

大学院で技術を習得してから実社会で役立て貰いたいとは、特許翻訳事務所では
絶対考えてはいないと思います。

何故なら本に書いて有る技術やノウハウはとっくに陳腐化していて、それでお客さ
んからお金を貰える事はできないからです。
貴方もお察しの通り、技術者としての素養が、学部生よりも広いと言う所を買いた
いのでしょうが、そんな事は最先端の特許に触れていれば遥かに身に付く事請け合
いです。

私も特許を出した事が有ります。その度思い知らされるのは「専門家以外にも
判って貰えなければアウトプットは零」と言う事です。ですから結構特許案を
起案する人こそ、理科系にありがちな「読めば判る」的な人もとても多いのです。


トップに戻る
Re:特許翻訳の世界ポフ 26557/9-19:54
 記事番号2647へのコメント

みのむしさん、こんにちは

みのむしさんは、特別エキセントリックな特許業務従事者に会ってしまったんだと
思いますよ。(少なくとも人様の職業を馬鹿にするような人間は、人間のクズで
す。)院卒でないと海外で相手にされないなんて話、はじめてです。

私は10年以上にわたって特許翻訳をしています。他の方が訳されたものをチェッ
クすることもあります。こういった経験を通して思うことは、特許翻訳に必要なの
は技術を把握する能力と語学センスだということです。これは、学歴とか、文系・
理系とかという以前に、明細書にどれだけ真摯に取り組むか、いかに明確に他言語
に変換するか、という翻訳者個人の姿勢に関係するものです。有名大学の理科系の
修士であるにもかかわらず、あきれるような翻訳をされる方もいれば、そうでない
学歴なのに、まことに見事な翻訳をされる方もいらっしゃいます。
みのむしさん、どうぞ気を取り直して下さい。特許翻訳の世界は、「成果は努力に
比例する」という世界だと思います。プライドだけが高い人間はいずれ自滅しま
す。


トップに戻る
経験と知識についてkyotag 26617/10-00:36
 記事番号2647へのコメント

みのむしさんは No.2647「特許翻訳の世界」で書きました。

はじめまして、kyotagと申します。私は、トライアルに受かったばかりの身で(経
済にうかりましたが、他社の担当の方いわく、経済は絶対量が少ないので、他のも
っと実務よりの登録もしたほうが良いとのことで、先日テレコムのトライアルも受
けました。テレコムは10年間日本とアメリカで実務についているので、内容自体は
簡単でしたが、やはり、できれば経済、それも、ゆくゆくは本や雑誌の記事を訳し
たいと思っています。(ホームページインタビューの山岡洋一さんの訳書「ビジョ
ナリー・カンパニー」には感激しました。これを読んだからこそMBAを取ろうと思っ
たといっても過言ではないかもしれません。)

>学部卒でも修士卒でも会社で仕事する上での能力で差はない、というのが
>私のこれまでの実感でしたので、大変ショックでした。
>また、今やっているエンジニアの仕事は「頭を使っていない」という様な
>ことを言われもしました。

たぶん、担当のかたが、技術系でお仕事されたことがないのだとおもいます。失礼
かもしれませんけど。私も技術系の会社にいましたので、みのむしさんと同意見で
す。わたしなら、その翻訳会社は遠慮させて頂きます。

>個人的には、特許内容を翻訳する技術者よりも、特許発明を考える技術者
>の方がよほど冴えていると思うのですが。。。

これは、どうでしょう?冴えている分野が違うというのことでは?特許については
門外漢なのでよく分かりませんが、翻訳も、冴えた翻訳とそうでないものがありま
すよね・・・。特許発明を考えても、それが、きちんと世界に通じる形で文書化さ
れないとだめでしょうし・・・。

学歴にかかわらずいい仕事をすれば立派なプロなわけですし(これは、翻訳に限ら
ないですよね)、結局、翻訳もアウトプット勝負の世界なのだと期待しています。

世の中にはいろんな人がいますが、経験は、知識だけでは補えず、その逆も真なり
だと私は思います。ともに研鑚してゆきたいですね。

kyotag


トップに戻る
修士課程を終えて得られたものえりこ 26637/10-13:26
 記事番号2647へのコメント

みのむしさん、こんにちは。

私は特許翻訳はやっていないので特許業界のこともよく分かりませんが、理系の修
士課程を出た後、しばらく研究所に勤務し、研究の傍ら技術文書の翻訳に携わって
翻訳の面白さに目覚め、この業界に転職しました。主に医学を中心とする科学技術
文書の翻訳に従事していますが、少なくとも翻訳の仕事をする上では、修士号を持
っていることで何か特別な恩恵を受けたということはありません。もしかしたらト
ライアルの最終選考時に多少の恩恵は受けているのかもしれませんが、学歴が決め
手になっているのだとしたら、翻訳能力はボーダーだということですので、あまり
誇れたものではありませんね。

そういうわけで、修士号自体には大した意味はないです。ただ、修士課程を過ごし
たことで得られたものは多少あります。1つは自分で考え自分で研究を組み立て、
スケジュールに沿って結果を導き出す訓練ができたこと(計画性とその遂行は翻訳
の仕事に必要です)。2つめは先人の研究を調べる必要性から、調査能力が鍛えら
れたこと(調査能力についてもしかり)。3つめは自分で論文を書かなければなら
ないので、文章力がついたこと。また、自分や他人の研究(または論文)の問題点
や矛盾点に気付き、深く掘り下げる力がついたこと(訳文に矛盾がある場合、訳文
に問題があるのか原文に問題があるのかを検討するのも、翻訳には重要な能力だと
思います)。

でも、上にあげたようなことは、別に修士課程を出ていなくても実社会で身に付け
ることは十分可能ですし、修士を出ていても上記の能力を身に付けられない人は大
勢いますから、やはり修士課程を出たこと自体に特別な意味があるようには思いま
せん。ですので、修士号云々にコンプレックスを感じられることはありませんよ。


トップに戻る
Re:特許翻訳の世界LimaLima 26677/10-21:54
 記事番号2647へのコメント

みのむしさん こんにちは
私は現役のエンジニア(自称)です。プライベートな時間に少しだけ
翻訳の仕事を楽しみながらやっています。

みのむしさんご自身も気付いていらっしゃると思いますが、その面接の
経験から、特許翻訳というのは…と一般化されるのは科学的な考え方では
ないように思います。

例えば、google で「特許翻訳」を検索して、出てくるサイトをいくつか
ご覧になると、きっと別の印象を持たれると思います。

修士については皆さんの書かれているとおりです。特に、翻訳の仕事では
多くの場合、学歴はまったく通用しないというのが私の実感です。

エンジニアも翻訳者も基本的には誰でもできる仕事だと思います。その
中で、誰よりも丁寧に、とか誰よりも効率よくとか皆さん努力されている
と思っています。