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◇┳企業が翻訳を外注に出さなくなる理由-投稿者:Injunjoe(3/7-11:44)No.3277
 ┣┳RE: 企業が翻訳を外注に出さなくなる理由-投稿者:Buckeye(3/7-22:02)No.3278
 ┃┗━RE: 企業が翻訳を外注に出さなくなる理由-投稿者:Injunjoe(3/8-22:13)No.3280
 ┗┳Re:企業が翻訳を外注に出さなくなる理由-投稿者:コニファ(3/8-08:06)No.3279
  ┗┳Re:企業が翻訳を外注に出さなくなる理由-投稿者:Injunjoe(3/9-00:10)No.3281
   ┗┳Re:企業が翻訳を外注に出さなくなる理由-投稿者:コニファ(3/11-07:35)No.3282
    ┗┳Re:企業が翻訳を外注に出さなくなる理由-投稿者:Injunjoe(3/11-19:37)No.3283
     ┗━Re:企業が翻訳を外注に出さなくなる理由-投稿者:コニファ(3/12-08:29)No.3285


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企業が翻訳を外注に出さなくなる理由Injunjoe 32773/7-11:44

皆さん、こんにちは。今日は翻訳会社/ローカリゼーション会社に仕事を発注する立場として、最近大いに疑問に感じている点について書かせていただきます。長文・駄文をご容赦ください。

私は一般的なパターンとは逆に、フリーランス産業翻訳者を 10 年弱経験したのちに、大手 IT 企業のローカライズ部門に転職したクチです。つまり、一般的な翻訳業務プロセスである「クライアント→翻訳会社→末端翻訳者」の、中央を除く両端を経験していることになります。

現在の職に就いてから、いわゆる産業翻訳業界の大手と言われる翻訳/ローカライズ会社をいくつも外注先として使ってきましたが、私の品質要件を満たす成果物が納品されることは、皆無に近いという現実があります。これは、「技術的な知識が足りない」とか「行間を読みきれていない」などという高次元な問題ではなく、「誤字脱字」「用語不統一」「スタイルガイド無視」「英文解釈上の明白かつ稚拙な間違い」「単なる誤訳でしかない超訳」「口語とマニュアル文体の区別が付いていない」など、非常に低次元な問題が、必ずと言っていいほど山盛りで含まれているのです。

このように書くと、「お前の品質要件が無茶に高すぎるんだろう」とか「値段やスケジュールを叩いてんじゃないの」と言われそうですが、私の勤務先は幸い予算的に余裕があるのと、上司に理解があるので、「安くて品質が悪いくらいなら、料金が高くても高品質なものを納品してもらったほうが、結局は社内労力の面からも安く済む」という方針で、料金とスケジュールはほぼ毎回、翻訳会社側に言われるがままです。前述したように大手 or 有名な翻訳会社を使用するので、料金としてはこちらのサイトに挙げられている「適正料金」の上位に間違いなく入っています。

また前述のように、私はフリーランス翻訳者として、そこそこ長い経験を有していますので、「翻訳」という作業の問題点、課題、苦労、限界などは一通り理解しているつもりです。フリーランス当時に、「意訳を一切認めず直訳のみを求めるクライアント」や「英文上からは読みとれないレベルまでの高度な意訳を求めるクライアント」など、御無体な顧客達にさんざん悩まされた経験もあります。そのため、たとえ直訳調であっても、逆に超訳であっても、原文の意味さえ正確に伝わり、スタイルガイドとマニュアル文体さえ守られていれば、特に問題視はしていないつもりです。

にもかかわらず、産業翻訳界でメシを喰っている人なら誰でも知っている"大御所"と呼ばれる翻訳会社達(フリーランス時代には後光が差して見えた翻訳会社達)から、信じられないほど稚拙な成果物が納品されてきます。フリーランス時代に、たとえば何千行という訳文の中に原文のピリオド 1〜2 個を削除し忘れようものなら、エディターから「確認が足りない!」と叱られていた私にとって、転職直後に遭遇した「誤訳、誤字脱字、用語不統一あたりまえ」の成果物達は、筆舌に尽くしがたいほどのカルチャーショックでした。

一方、ローカライズ部門の同僚達の間では、「外注に出してまともな成果物が上がってくることはない」という、一種の開き直りのような考え方が定着しています。幸い、私の勤務先のローカライズ部門には、高度なスキルを武器に翻訳畑を歩いてきたが、業界に嫌気がさして転職したという人材が、私以外にも何名かいるため、最近は翻訳をできるだけ外注せず、社内で対処する方向に変わってきています。

少し前にこちらの掲示板で、「不況のせいで、大手どころが外注に出さなくなった」と書き込んでおられる方がいらっしゃいましたし、翻訳に携わる方々の多くがそのように思っておられるのかもしれませんが、大手が外注に出さなくなった原因は、果たして「不況」だけでしょうか。少なくとも私の勤務先(全世界のソフトウェアベンダーの中で十指に入る企業)は、景気の問題とは無関係に、品質の問題で翻訳外注を極力避ける方針に変わりました。他社の内情はわからないので、これはあくまで想像の域を出ませんが、どの会社も多かれ少なかれ、「不況でできるだけ金をかけたくない状況なのに、社内の省力化と経費節減を目的とするはずの外注で、逆に金と労力の浪費が大きくなるので、できるだけ外注を使わない」という考え方に変わってきているのではないでしょうか。

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RE: 企業が翻訳を外注に出さなくなる理由Buckeye E-mail URL32783/7-22:02
 記事番号3277へのコメント

☆ Injunjoe さん

おっしゃるような理由からソースクライアントが外部に発注しなくなる、あるいは、まともな外注費なんか払う気にならなくなるという問題は、私の回りでは、「きっと、そういうことってあるんだよねぇ」と、よく話題になっていました。やっぱり、実例があるんですねぇ(--;)

>>「安くて品質が悪いくらいなら、料金が高くても高品質なものを納品してもら
>>ったほうが、結局は社内労力の面からも安く済む」という方針

これ、私が、自分の会社のウェブページトップにのせていることとまったく同じです。私はそう思うし、私のクライアントからは、支払った料金は高かったけどトータルのコストは下がったと喜んでもらってもいます。でも、このような考え方が成立するほど社内でしっかりと手を入れるところは少ないので、高料金でトータルコスト削減の手伝いをするっていう方針では、翻訳会社は大きくなりませんね。

ちなみに、品質について言えば、大手になるほど高いモノは出にくいだろうと私は思います。私自身、アイデンティティは翻訳者ですが、ソースクライアントとは、「翻訳会社」という身分で仕事をします。また、受注した案件の大半は自分で訳すにしても、一部は外注に出すので、名実ともに翻訳会社という立場があるわけです。その辺りでいろいろと考えることもありますし、また、翻訳会社の業者間取引の実態を見聞きしたりもしていると……段落冒頭のような考えに至るわけです。

品質については、中小でいいところを見つけるのが一番でしょう。中小でいいところというのは、あくまで知る人ぞ知るであり、一般に知られた有名なところとは限りません。また、中小だからいいというわけではもちろんなく、品質は大手以下で中小ならではの問題を山のように抱えているところもありますから、注意深く選ぶことをお勧めします。

大手になるほど高品質のものが出にくい理由は、いろいろとあります。その中で、中小と大手で一番違うのは……社員の意識でしょうか。会社が大きくなればなるほど、社員は、いわゆるサラリーマン化します。そうなると、品質が保証できないから仕事を断るなんてことはできなくなっていきます。目の前に仕事がぶら下がっていて、その仕事を取れば儲けになるのに、品質が保証できないから断るというのは、よっぽどこだわりがないとできませんからね。

個人的には、そのようなこだわりを棄てたくないと思うので、加藤さんのインタビューでお話ししたように、自分の会社は大きくしたくない(「しなくてもいい」ではなくて「したくない」)と考えています。だから、自分のアイデンティティは翻訳者なんだとも言え、逆に、自分のアイデンティティが翻訳者にあるからこだわりが棄てられないとも言えますね。

なお、翻訳会社という存在が一概に悪いというわけではなく、いろいろな意味で存在理由はあります。また、大手が悪いような書き口になっていますが、大手でなければできない仕事というものもあります。いろいろと難しいですね。

Best Regards,
Buckeye


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RE: 企業が翻訳を外注に出さなくなる理由Injunjoe 32803/8-22:13
 記事番号3278へのコメント

buckeye さん、こんにちは。buckeye さんのような方からレスを頂
けて光栄です。インタビューを拝読したとき、正直言って「俺はな
んて努力と行動力が足りない人間だろう...」と心底から恥ずかし
くなったものです。

「品質を求めるならば、優れた中小の翻訳会社を探すのが近道」と
のご意見ですが、実は社内でもこれと同じ意見で一致しつつありま
す。実際、ホワイトペーパーやマーケ資料のように分量が少ない仕
事や、書籍翻訳のように分量に対する納期が比較的緩い仕事などは、
私がフリーランス時代に取引していた、品質面で信頼できる小さい
翻訳事務所に外注しています。職場の同僚の中には、翻訳会社を通
さず、知人等のつてを辿って見つけた優秀なフリーランスの翻訳者
に、直接外注している者もいます。

ただし、大型ソリューションのオンライン ヘルプやマニュアル等
になると、少なくとも数十万ワードの規模になるだけでなく、スケ
ジュール的にも非常に厳しいため、どれほど嫌でも大手に外注しな
いと処理しきれない、という状況が多々発生します。さらに、大手
は TRADOS 以外にも自社開発の QA ツールを持っていたりするので、
膨大な分量のオンライン ヘルプの翻訳時などには、訳文自体の品
質に目をつぶって、そこに頼らざるを得ません。また、いくら品質
が低いとはいえ、ウン万ワード規模の一時レビュー用翻訳を数日で
上げてくるという力業は、やはり大手ならではと言えます。当然、
相当な数の翻訳者に分散して翻訳させているのでしょうか、訳文の
品質がページごとに目まぐるしく変わるという、なかなかにエキサ
イティングな光景が待っているわけですが...

「大手はスタッフがサラリーマン化する」という見解も、たびたび
社内で出ています。私は翻訳を外注する立場として、翻訳会社のプ
ロジェクトマネージャと接するわけですが、たとえば品質について
クレームを付けても、大抵はまるで他人事のような対応です。「は
あ、わかりました。それではエディットし直しますので、この分量
でしたら XX 日かかりますが、それでもよろしいですか?」という
ような感じです。何というか、妙な日本語ですが、クレームを付け
られ慣れているというか、仕事に対する真剣みがないというか....
で、私も元翻訳者ですから、クレームを付けてやり直しをさせるた
びに、「きっと見えないところで大勢のフリーランスが泣いてるん
だろうな」と心苦しく思っています。私の独断と偏見では、そうし
た問題の責任の 80% は、実力のない翻訳者を登録して仕事をさせ
た、翻訳会社側にあると思っておりますので...でも訳文の初歩的
なミスを見ると、「この翻訳者は自分の仕事にプライドとかこだわ
りはないんだろうか」と思ってみたりもして....悩ましいです。

ところで、私がどうしても納得出来ないというか、理解できないの
は、翻訳学校に入りたての入門者が犯すようなミスを、なぜ大手の
登録翻訳者が連発するのか、という点です。私もフリーランス時代
に、大手翻訳会社に幾度も応募しましたが、すべて書類審査で落と
されて、トライアルを送ってもらうことすらできませんでした(も
しかしたら恥ずかしい?)。ちなみに当時は、すでにフリーランス
として中小の取引先から高い評価を受け、実績も積み、中堅サラ
リーマン程度には収入も安定していた時期でした。そうした経緯が
あるので、「大手はよほど優秀で実績のある翻訳者しか採らないの
だろうな」と、心の底から信じ切っていたのです。ところが、実際
にそれらの会社から納品されてくる成果物は、私が翻訳学校に入学
したての頃にも及ばぬ出来映え......なぜ!? という疑問の答え
は、未だ見つかっていません。

何はともあれ、buckeye さんとは逆に、フリーランスから大手企業
の籠の中に入り込んだ私ですが、歯車のひとつとて埋没してしまい
たくないので、フリーランスとして培った自主独立の職人精神を忘
れずに持ち続けるべく、日々悪あがきしていこうと思っています。

ではでは。


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Re:企業が翻訳を外注に出さなくなる理由コニファ 32793/8-08:06
 記事番号3277へのコメント

Injunjoeさん、まだ3年目の駆け出しで、翻訳業界の内情にも疎い私ですが、
「どうしようもない翻訳」が出てくる、とか、低品質の翻訳者が多くて困る、
といった話題は、定期的に繰り返し繰り返し、出ているように思います。

ローカリゼーションという翻訳分野は、膨大な需要を抱えた市場であると
思いますが、それだからこそ、需要を満たすだけの優秀な翻訳者が
山のようにたくさんいるはずもないと思うのです。

翻訳というのは、私などが生意気いうのもナンですが、ただ単にタテのものをヨコに
するような簡単なものじゃないことは、先輩諸氏もよく書かれていますし、
何よりも翻訳者としてのキャリアのあるInjunjoeさんご自身がよくご存知と思います。

そのように翻訳者とは高度に専門的な職業であるのに、意外と簡単に、
英語が得意、専門知識もある、ということで翻訳者になる人も多いでしょうし、
需要がたくさんあるからそのような翻訳者にも依頼が行くのでしょうね
(クライアントと翻訳者に仲介があるので、見えにくくなる部分があり)。

しかしそのような翻訳者ばかりではなく、品質向上に努め、調査も徹底的に行い、
専門分野の勉強にも絶えず努力しているといった、良心的な翻訳者も一方で数多くいるはずです。

駆け出しの私が望むのは、翻訳者の品質を発注する側がきちんと見極めてほしい、
ということです。私は現在主として3社に登録させていただいていますが、
コーディネーターの方の振り方次第ではないかと、実感することがよくあります。
1社のコーディネーターは、法律・医薬を何とかこなしている私に、
狭ーいその分野の技術者でなければ絶対わからないような技術論文を依頼することがよくあり、
昨年1年間、仕事がほしいばっかりに何もかも引き受けていましたが、これでは自分の向上にも
ならないし(1分野が深められない)、きっとクライアントの方からクレームを頂いてるだろう、
と不安でした(いくらリサーチしても、限度があります)。今年からそのエージェントの依頼は
お断りする方向です。また他方では、よくぞ私にこれを依頼してくださった、というものを常に
発注してくださるコーディネーターさんもいらっしゃいます。
したがって、発注側の責任というものも翻訳者同様に大きいのではないか、と感じています。

いずれにせよ、外注を減らす方向でいいのではないでしょうか。そうすれば翻訳者も淘汰され、
優秀な翻訳者が残り、その人たちの単価は希少価値としてどんどん高くなる(^^)・・・
他の国のことはよく知りませんが、ドイツなどはこうした頭脳労働に対し、非常に単価が
高いと聞きました。誰でも簡単になれる職業ではなく、できる翻訳者がそこらへんにうじゃうじゃ
いるわけないのですから、それを翻訳にかかわる人たちすべてが、もっと理解すればと思います。

いやー、ものすごく生意気な駆け出しで・・・噴飯ものですね。でも日頃思っていたことが書けて
すっきりしました。
先輩からのお叱りのことば、お待ちしています。

コニファ


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Re:企業が翻訳を外注に出さなくなる理由Injunjoe 32813/9-00:10
 記事番号3279へのコメント

コニファさん、レスをありがとうございます。コニファさんにいい
レスを付けようと、いっぱいいろいろ書いてみたのですが、どうし
ても途中で論理が破綻してしまうので(笑)、簡単に書いてみよう
と思います。

まず、コニファさんは「まだ駆け出しだから」とか「経験が浅いか
ら」と遠慮なさっていますが、私自身は、翻訳界ではそういう遠慮
は不要だと思うし、不要にしていかなければならないと思っていま
す。

文芸翻訳者はいざ知らず、産業翻訳者は、職人である前に、ビジネ
スマンでなければなりません。そして、陳腐な言い方になりますが、
ビジネスの世界では結果がすべてです。はっきり言って、実力があ
り、結果を出せるのであれば、実績なんてどうでもいいと思います。

実際、一部上場企業の社内翻訳部門で十数年働いていたという輝か
しい「実績」を持つ人でも、いざフリーランスになって翻訳をやら
せてみたら超自己流でまったく使い物にならなかった、なんていう
話もしばしば耳にします。

ですから、コニファさんが「私はいちビジネスマンとして、顧客の
ニーズを満たす商品(翻訳物)を納品しているぞ」と感じているの
であれば、私はコニファさんは一人前の翻訳者として胸を張るべき
だと思います。

そのほか、いろいろと書いていただきましたが、コニファさんのお
っしゃりたいことは、痛いほどわかります。私もフリーランス時代
には、納得のいかない思いに翻訳という仕事が嫌になったり、大き
な無力感にさいなまれたりしました。今ではいい想い出.....なわ
けはありません。今でも嫌な想い出です。

結果がすべてであるビジネスの世界において、産業翻訳という市場
全体の品質が下降傾向にあるのは、翻訳に携わる大多数の人間にと
って、非常に深刻な問題だと思います。真面目に頑張っている良心
的な翻訳者が大勢いることはわかっています。しかし、「技術のな
い翻訳者はそのうち淘汰されて、実力のある翻訳者の価値が上が
る」と楽観視する余裕は、私にはありません。いろいろと反論はあ
るでしょうが、私自身は、翻訳という業界の将来に非常に悲観的で
す。これは私がフリーランス稼業を見限った理由の一部でもありま
すし、翻訳業界を外から眺める立場になった今、ますますその思い
を強くしています。

業界全体のレベルが低下すると、淘汰の波は技術のない翻訳会社/
翻訳者だけでなく、いずれ技術のある翻訳会社/翻訳者にも必ず及
びます。実際、私がフリーランス時代に取引していた中堅翻訳会社
は、非常に優れた技術を持ち、なおかつ良心的な素晴らしいローカ
ライズ企業でしたが、翻訳業界の右肩下がりの波に呑まれて倒産し
ました....

話が暗くなったので、今日はこの辺で。


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Re:企業が翻訳を外注に出さなくなる理由コニファ 32823/11-07:35
 記事番号3281へのコメント

Injunjoeさん、ていねいなコメント、ありがとうございます。

>ですから、コニファさんが「私はいちビジネスマンとして、顧客の
>ニーズを満たす商品(翻訳物)を納品しているぞ」と感じているの
>であれば、私はコニファさんは一人前の翻訳者として胸を張るべき
>だと思います。

結果をどのような尺度でとらえることが最適なのかは、さまざまと
思いますが、1つの尺度として収入面でとらえるなら、私はフリーランス
1年目の翻訳収入を年間300万、2年目400万、3年目の今年500万と
ざっと目標を立て、クリアしてきました(^^)。今年は500万も軽く
超えそうです。収入ばかりに気をとられた弊害もあったので、今年は
少し方向を変えていますが。ですから、とりあえず一人前の翻訳者として
扱ってもらってもいいかもしれませんが、私の目標とする「翻訳」という
仕事は、Injunjoeさんがお書きになっているものと、かなり違う、
と思いました。2年や3年では一人前になれない職人の世界ととらえていま
す(尊敬する先輩の仕事を見ていて、の思いです)。
ローカリゼーションという分野は、かなり特別な分野ではないでしょうか?

>業界全体のレベルが低下すると、淘汰の波は技術のない翻訳会社/
>翻訳者だけでなく、いずれ技術のある翻訳会社/翻訳者にも必ず及
>びます。実際、私がフリーランス時代に取引していた中堅翻訳会社
>は、非常に優れた技術を持ち、なおかつ良心的な素晴らしいローカ
>ライズ企業でしたが、翻訳業界の右肩下がりの波に呑まれて倒産し
>ました....

翻訳という仕事が、大昔から存在する職業であることは、山岡氏の著書
で感動的に描かれているとおりです。「もの書き」のハシクレ、「文化の担
い手」といった、大きな崇高な目標をもって私も進んでいきたいので、
(スタートが遅かったし、能力にも限界があるので、とてもその域に届かな
いことはわかっていても)、今現在、産業界のITの動向と同じように盛衰の
激しい分野で何が起きても、やはり優秀な本来の翻訳者は、いつの世も地道
に仕事を続けていくと信じています。

コニファ


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Re:企業が翻訳を外注に出さなくなる理由Injunjoe 32833/11-19:37
 記事番号3282へのコメント

コニファさん、レスをありがとうございます。
ご意見を興味深く拝読させていただきました。

当初、かなり謙遜されていたので、つい偉そう
なレスを付けてしまいましたが、実はかなりの
自信と誇りをお持ちの方であるとお見受けしま
した。

翻訳家になりそこねた英文和訳屋が、誇り高き
翻訳家の方に向かって「一人前ではないでしょ
うか」とは、今にして思えばとても滑稽ですね。
さぞかし片腹痛かったことでしょう。

語学を生業になさっている方々とお話している
と、なぜか相手の方が不機嫌になったり、ムキ
になったり、最悪は怒り出したりしてしまうの
ですが、ついに掲示板でもやってしまいました
か。私の考え方が、そうした方々と根本的に相
容れないのでしょうね。


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Re:企業が翻訳を外注に出さなくなる理由コニファ 32853/12-08:29
 記事番号3283へのコメント

Injunjoeさん、(しつこく投稿^^;)
>語学を生業になさっている方々とお話している
>と、なぜか相手の方が不機嫌になったり、ムキ
>になったり、最悪は怒り出したりしてしまうの
>ですが、ついに掲示板でもやってしまいました
>か。私の考え方が、そうした方々と根本的に相
>容れないのでしょうね。

そう言ってしまうと、せっかくここまでいいお話ができたと思っていたの
に、終わってしまって残念です。

Injunjoeさんの周囲では、外注をできるだけ減らし、外注するなら
「中小」のエージェント、あるいは直接に優秀な翻訳者に、という
方向に向かっている、そして私たち駆け出しながら長く翻訳業に
携わりたいと考える翻訳者は、高品質を目指して努力する、そして
その両者が出会えたら、いいものが生み出されていく・・・
ということで、そこには何の矛盾もないように思うのですが・・・
すべては市場が決める、ということかもしれないと思います。

掲示板でこんなお話ができて、実はとても喜んでいます。
「蛸壺」にこもりっきりなものですから・・・

コニファ

<管理人加筆開始>----------------------------
突然、割り込んですみません。

コニファさんは、もしかしたら、旧工房セロリさんですか?
当てずっぽうですので、人違いでしたらごめんなさい。

「来る者は拒まず、去る者は追わず」の管理人
-----------------------------<管理人加筆終了>