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◇┳ローカライゼーションの現実・・質より量でしょうか。-投稿者:はづき(4/3-20:33)No.3326
 ┣┳Re:ローカライゼーションの現実・・質より量でしょうか。-投稿者:まろん(4/3-22:23)No.3327
 ┃┣━Re:ローカライゼーションの現実・・質より量でしょうか。-投稿者:はづき(4/3-23:09)No.3329
 ┃┗━Re:ローカライゼーションの現実・・質より量でしょうか。-投稿者:まろん(4/3-23:10)No.3330
 ┣━Re:ローカライゼーションの現実・・質より量でしょうか。-投稿者:のりちゃんさん(4/3-23:22)No.3331
 ┣━Re:ローカライゼーションの現実・・質より量でしょうか。-投稿者:nico(4/3-23:42)No.3332
 ┣━Re:ローカライゼーションの現実・・質より量でしょうか。-投稿者:もくれん(4/4-10:40)No.3333
 ┣━Re:ローカライゼーションの現実・・質より量でしょうか。-投稿者:バブリー(4/4-11:24)No.3335
 ┗┳ご意見ありがとうございました。-投稿者:はづき(4/4-20:52)No.3336
  ┗━補足です-投稿者:はづき(4/5-00:09)No.3339


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ローカライゼーションの現実・・質より量でしょうか。はづき 33264/3-20:33

みなさん、こんばんは。

私は先月からソフトウェアの会社でローカライズの仕事をしています。
これまでは主に在宅でカタログやマニュアルの翻訳をしてきました。

その会社には、大体40〜50人くらいの翻訳者がいます。チームで作業をして
いるので、ほかの人が翻訳したものを読む機会もあり、またTRADOSを使用し
ているので常に過去の翻訳を目にすることになります。そこで驚くのが、ま
ず工夫された訳はほとんどなく、誤訳も珍しくない、ということです。明ら
かに字面だけをおって英語から日本語に置き換えた、そんな感じの訳がほと
んどで、本当に意味をかみくだいて、優れた文章に訳されているものはほと
んどありません。

そういう訳を毎日目にしていると、翻訳という仕事が甘くみられている気が
して段々憤りを感じてきます。もちろん、自分はそうならないように気をつ
ければよいことなのですが、いくら自分が工夫をこらして優れた翻訳を心が
けても、何十冊とあるマニュアルのほんの一部にすぎない、と思うとモチベ
ーションも下がる一方です。

もちろん完璧な翻訳なんてないですし、決して自分が優れていると思ってる
わけでもありません。まだまだ腕を磨かないといけないと思っています。た
だ、少なくともお金をもらっている以上、意味をあいまいに把握するだけ
で、とりあえず英語を日本語に置き換えたような翻訳は絶対にしないつもり
です。また、不注意からくる誤訳も絶対にすべきではないと思います。お金
をもらって"仕事"として翻訳する以上、1文1文に責任をもつべきです。

これまで主に在宅で仕事をしてきたので、このような大人数での翻訳という
のは初めてなのですが、こんなものなのでしょうか。ローカライズはとにか
く量をこなさなければいけないので、質は二の次になってしまう、という話
もよく聞かれますが、それが現実なのでしょうか。でも翻訳ってそんな簡単
なものではないはず・・そう思いたいです。

多少過激な投稿になってしまい、失礼しました。考えてみれば、どんな仕事
をしていても同じ様なことはあるかもしれないし、いちいち憤りを感じてい
ても仕方ないのかもしれません。いずれにしても、自分の翻訳は良いものに
していくしかないですから。ただ毎日やりきれない思いがしています。


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Re:ローカライゼーションの現実・・質より量でしょうか。まろん 33274/3-22:23
 記事番号3326へのコメント

はづきさん、みなさん、こんばんは。

>その会社には、大体40〜50人くらいの翻訳者がいます。チームで作業をして
>いるので、ほかの人が翻訳したものを読む機会もあり、またTRADOSを使用し
>ているので常に過去の翻訳を目にすることになります。そこで驚くのが、ま
>ず工夫された訳はほとんどなく、誤訳も珍しくない、ということです。明ら
>かに字面だけをおって英語から日本語に置き換えた、そんな感じの訳がほと
>んどで、本当に意味をかみくだいて、優れた文章に訳されているものはほと
>んどありません。

私は、ITの技術者から翻訳者になったのですが、ITの技術者の中には、意訳された文章よ
りも、英語をそのまま日本語に置き換えた文章の方がはるかに読みやすいと言われる方も
います。また、翻訳者として働いた時は、英語をそのまま日本語に置き換えているような
訳を求められました。そうしないと「誤訳」「訳抜け」などと言われてしまいました。

ソフトウェアのマニュアルがすべてそうだとは言いません。同じマニュアルでも、そのソ
フトの分野によって違うみたいです。英語をそのまま日本語に置き換えている分野もあれ
ば、ある程度は意訳する必要のある分野もあります。

>これまで主に在宅で仕事をしてきたので、このような大人数での翻訳という
>のは初めてなのですが、こんなものなのでしょうか。ローカライズはとにか
>く量をこなさなければいけないので、質は二の次になってしまう、という話
>もよく聞かれますが、それが現実なのでしょうか。でも翻訳ってそんな簡単
>なものではないはず・・そう思いたいです。

ローカライズ以前の問題だと思います。ソフト業界の納期の短さはすさまじいものがあり
ます。そのため、ローカライズの納期も短く、質より量になってしまうのが現実なのでは
ないでしょうか。翻訳が簡単なものなのではなく、業界の特色なんだと思います。

これに対応していくには、翻訳の質だけに目を向けるのではなく、量を視野に入れていか
ないといけません。量をこなすためには、ただ訳すスビードをあげればいいというわけで
はなく、色々なツールも使いこなす必要があります。現実を目の当たりにして嘆く前に、
やることは色々ありますよ。がんばりましょう。


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Re:ローカライゼーションの現実・・質より量でしょうか。はづき 33294/3-23:09
 記事番号3327へのコメント

すみません、言いたいことがうまく表現できていなかったもしれませんが、
「直訳」がだめで「意訳」がよい、と言うつもりはありませんでした。。
「いい加減な」翻訳は、たとえどんなに納期が短くてもすべきではない、
ということが言いたかったのです。


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Re:ローカライゼーションの現実・・質より量でしょうか。まろん 33304/3-23:10
 記事番号3327へのコメント

すいません。ぼーっと書いてたら、何が言いたいのかわからなくなってきました。

>これに対応していくには、翻訳の質だけに目を向けるのではなく、量を視野に入れていか
>ないといけません。量をこなすためには、ただ訳すスビードをあげればいいというわけで
>はなく、色々なツールも使いこなす必要があります。現実を目の当たりにして嘆く前に、
>やることは色々ありますよ。がんばりましょう。

処理量が増えれば、その分「質」にかけられる時間が増えていきます。「最高の質」を提供するの
が一番だと思いますが、与えられた条件の中で少しでも質のいいものを提供するのも大事なことだ
と思います。


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Re:ローカライゼーションの現実・・質より量でしょうか。のりちゃんさん 33314/3-23:22
 記事番号3326へのコメント

はづきさんは No.3326「ローカライゼーションの現実・・質より量でしょうか。」
で書きました。

>明らかに字面だけをおって英語から日本語に置き換えた、そんな感じの訳がほと
>んどで、本当に意味をかみくだいて、優れた文章に訳されているものはほと
>んどありません。
>
不注意からくる誤訳も絶対にすべきではないと思います。お金
>をもらって"仕事"として翻訳する以上、1文1文に責任をもつべきです。
>
>ローカライズはとにかく量をこなさなければいけないので、質は二の次になってし
まう、という話もよく聞かれますが、それが現実なのでしょうか。でも翻訳ってそ
んな簡単なものではないはず・・そう思いたいです。

こんにちは、はづきさん。
同感するものがあって書かせてもらいます。
たとえば、一所懸命取り組んだトライアルだけれど、力不足で不採用というのは私
だけではないと思います。いろいろなお話は聞きますが、こういった場合はもっと
努力しないといけないとまず反省することにしています。
一方で、リエンジニアリングでチェンジマネージメントやトレーニングに関するコ
ンサルティングをさせていただく折、時間的な制約で翻訳は外注でお願いすること
もしばしばです。戻ってくる訳は「どうやってトライアルに合格したの???」という
訳です。
なにがどこですれ違っているんでしょうか?

気づいたことは、クライアントさん自身が要求している内容を十分に把握していな
いことがある。膨大な量を数日でこなしてほしい、社内用語や事情を反映してほし
いなどなど。何をどこまで欲しいのかが明確でないクライアントほど外注翻訳に対
するクレームが多くなるのではと思います。期限、容量、提供資料を考慮して「こ
れで何が不満なの?」ということもあります。
社内に翻訳の作業過程を理解し必要となる提示資料を提供できる方がいると、効率
がよく品質のよい翻訳になるのではと思います。品質が悪すぎてクレームが連続、
プロジェクトの進行に支障をきたすあたりに参入し「クレームは詳細例を持って提
示、エージェント側は翻訳作業時にクライアントに確認を取って欲しい箇所はリス
ト添付する」といった方向性を打ち出してから改善されました。あまりに単純です
が、それをしていなかったわけです。
浅い経験では、翻訳は大きなプロジェクトの一部にすぎません。外注に頼んだらそ
れでよし、あとは期限内にあがってくるかが最大関心です。このため、私の場合は
納期プラス社内チェックを入れることを強く推奨してます。一部だが最も重要な部
分です。翻訳する立場としては受け取り手が希望するものに、受け取り手の立場と
しては希望する翻訳をしてもらうためのコミュニケーションを考えるようにしてい
ます。一番の難事はやはり時間です。期限内にあがらなければ意味がないのです。

どこかに引っかかっていたことを話せて少しすっきりしました。
どうもありがとうございます。


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Re:ローカライゼーションの現実・・質より量でしょうか。nico 33324/3-23:42
 記事番号3326へのコメント

はづきさま、みなさまこんにちは。

ソフトウェア関連に勤務しております。わたくし自身は日英が主なので、ご参考にな
るか分かりませんが...量より質、といいますか、質が全て、に1票です。

自分では日本語に訳されたマニュアルを読むことはほとんどないのですが、周囲の技
術者が「マニュアルが直訳過ぎて、何を言っているのかサッパリわからない...」と
頭を抱えて試行錯誤、四苦八苦している姿をしょっちゅう見ております。

彼らによりますと、これは「わざと下手に翻訳して、マニュアルを読んでも使い方が
わからないようにしておき、有料のトレーニングコースを受けさせて二度儲けようと
いうソフトウェアベンダーの販売戦略」なのだろう、ということです。
真偽の程はともかく、少なくともユーザーの目にそう映るのは確かなようです。

少々乱暴な意見かもしれませんが、はづきさんの会社のローカライゼーションがこの
ような戦略に基づいているとすれば、せっかく質の高いお仕事をされても、正しく評
価されずに腹立たしい思いをなさるばかりではないでしょうか。
フリーの立場で仕事を選び、質の高い翻訳だけを生産する、というのは、やはり難し
いものなのでしょうか...







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Re:ローカライゼーションの現実・・質より量でしょうか。もくれん 33334/4-10:40
 記事番号3326へのコメント

はづきさん、はじめまして。
IT 関連の翻訳のお仕事をして4年目のもくれんです。
以前はソフトウェア会社に勤務していました。
ローカライズを担当したこともありますので、私の経験から
思うことをお話します。

>その会社には、大体40〜50人くらいの翻訳者がいます。チームで作業をして
>いるので、ほかの人が翻訳したものを読む機会もあり、またTRADOSを使用し
>ているので常に過去の翻訳を目にすることになります。そこで驚くのが、ま
>ず工夫された訳はほとんどなく、誤訳も珍しくない、ということです。明ら
>かに字面だけをおって英語から日本語に置き換えた、そんな感じの訳がほと
>んどで、本当に意味をかみくだいて、優れた文章に訳されているものはほと
>んどありません。

これは、「チーム」の場合は仕方がない気がします。
というのも、それぞれのメンバーが工夫を凝らして訳すと、
結局後で、統一する作業が発生してしまうからです。
むしろ、こなれた表現を取り入れるのは翻訳の後の編集の段階か
それか顧客側で、、、これがIT翻訳かと思います。
指示として「不自然な日本語にはうるさいクライアントです」
とない限りは、あまり個性的な訳は入れないようにしています。

>これまで主に在宅で仕事をしてきたので、このような大人数での翻訳という
>のは初めてなのですが、こんなものなのでしょうか。ローカライズはとにか
>く量をこなさなければいけないので、質は二の次になってしまう、という話
>もよく聞かれますが、それが現実なのでしょうか。でも翻訳ってそんな簡単
>なものではないはず・・そう思いたいです。

そうするつもりはなくても、結果として「質より量」に
なってしまうケースが多いのだと思います。
在宅だと「翻訳」の部分しか見えませんが、ローカライズには
もっと様々な作業があって、翻訳はその一部にすぎないことも
事実です。翻訳だけに時間をかけることもできないので、
質を追求するにも限界があるんでしょうね。

翻訳会社からフィードバックがないと、翻訳者も「こんなもんで
いいんだな」と思うかもしれません。もし、はづきさんがこの状況を
改善したいのであれば、トライアル、編集、フィードバックの
方法の見直しを提案されることをお勧めします。
少なくともはづきさんの会社の翻訳者の意識を変えることは
できるかもしれませんよ。


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Re:ローカライゼーションの現実・・質より量でしょうか。バブリー 33354/4-11:24
 記事番号3326へのコメント

はずきさん
こんにちわ。はずきさんの気持ち痛いほどわかります。
私ははずきさんとは逆でオンサイトローカライズを経験して
から在宅に入りました。
私もはずきさんとまったく同じ経験、同じ感情を抱きました。
はっきりいって、はやめにオンサイトを切り上げることを
お奨めします。オンサイトでは翻訳者との情報交換が
できるというメリットがありますが、デメリットも大きいのです。
1年間をオンサイトで過ごしましたが、士気が低下し、実力もつきませんでした。

そうはいっても契約があると思うので、できるだけ勉強する時間を持ったほうが
良いと思います。同じ仕事をしていた超ベテランの翻訳者さんも
「こいう仕事ばかりしているとだめになる」とおっしゃって、
帰宅後に別の仕事を受けていらっしゃいました。


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ご意見ありがとうございました。はづき 33364/4-20:52
 記事番号3326へのコメント

みなさま、いろいろなご意見をありがとうございました。
とても興味深く読ませていただきました。

私の言葉足らずで多少誤解が生じてしまったかもしれませんが、私も何も「趣向を凝らし
た訳文」がいい、というつもりはありませんでした。時間をかければそれだけ質は向上で
きますが、まろんさんのおっしゃるとおり、この業界では「与えられた条件の中で少しで
も質のいいものを提供する」ことが最も大切ですよね。

では、最低限守らなければならないレベルは何かと考えたとき、原文の意味を正確に伝
え、かつ日本語として意味を成していること、だと思うのです。本とに当たり前のことな
のですが、それすらできていないのが現実です。日本語として読んでも意味が分からない
翻訳だったらしなくても良いですし、原文の意味を誤って伝えるような翻訳ならしない方
がましです。

これは納期が短いことを言い訳にはできないと思います。今より時間をかける必要はない
のですから。「いい加減な」または「誤った」訳文をキーボードで入力しているのと同じ
時間で、正確である程度読みやすい訳文を入力できるはずです。逆にそれができないな
ら、翻訳の仕事をする資格がないですよね。さらに、時間がとれれば読み直して、質をさ
らに向上させる、そういうことではないでしょうか。

もくれんさんのおっしゃるとおり、何も言わなければこのままでいいと思われてしまうの
で、誤訳を見つけたらなるべくフィードバックするようにしました。長い(といいのです
が・・)翻訳者人生のなかでこれも修行のうちかなあ..と思う今日この頃でした。。


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補足ですはづき 33394/5-00:09
 記事番号3336へのコメント

nicoさん&バブリーさん、アドバイスありがとうございました。
確かに在宅(フリー)で仕事をした方が、自分の翻訳に集中でき、余計な気をもまずにすむというメ
リットは大きいと最近感じています。オンサイト勤務を始めた理由は、久しぶりに外で働きたくな
った、仕事の量が安定する、などいろいろあったのですが・・。在宅の方がいい意味で緊張感が保
てる気はします。