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◇┳5月28日〔金)日経新聞 の記事について-投稿者:くみ(5/29-15:34)No.383
 ┗┳Re:5月28日〔金)日経新聞 の記事について-投稿者:酒匂 邦弘(5/29-21:48)No.384
  ┗┳Re:5月28日〔金)日経新聞 の記事について-投稿者:くみ(5/30-11:16)No.385
   ┗┳Re:5月28日〔金)日経新聞 の記事について-投稿者:折口学(6/1-18:35)No.386
    ┗━Re:5月28日〔金)日経新聞 の記事について-投稿者:くみ(6/2-09:28)No.388


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5月28日〔金)日経新聞 の記事についてくみ E-mail 3835/29-15:34


5月28日〔金)日経新聞 の記事”闘う日本語”(21世紀勝者の条件)について

”・・・・文書の翻訳ソフトでも精度の向上が期待できる。単語や文法を分析して変換する
方式に加え、大量の例文を蓄積し類似の例から推測して訳す方法をとりいれるようになったからだ。
・・・・・・・・現在の翻訳精度は日本語と英語のあいだで60%程度ほどだが85%を超えれば
一気に普及する。そうなれば一般家庭で米国のinternet情報を日本語に換えて読んだり
研究論文や行政文書を一瞬のうちに翻訳して海外に発信することができる。・・・・・・”

私は機械翻訳のことは全くわかりませんが 現在国や松下、NTTなど70社が出資している研究所で
こんな事が言われているそうです。

??????10年後、翻訳者に仕事はあるのでしょうか????????????
かなり不安になりました。commentsをおまちしております。

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Re:5月28日〔金)日経新聞 の記事について酒匂 邦弘 E-mail URL3845/29-21:48
 記事番号383へのコメント

 くみさん、こんばんは。
 機械翻訳が、いずれ、翻訳者による翻訳を凌駕するであろうことは、何年も前から感じています。ただし、
翻訳者に頼らざるを得ない仕事が、決して、無くなることにはならないとも思っています。

 翻訳ソフトは、それぞれの言語の文法に準拠して作られている筈ですから、文法通りに書かれていない文書
を翻訳可能にするほどに、「大量の例文を蓄積し、類似の例から推測して訳す方法を取り入れる(日経新聞)
」ようになるとは思えないからです。

(1)日本文の問題:日本人と雖も、常に正しい(文法に則った)文章を書くとは限りません。
 その事例として、少し古いものを取りあげます。1994年9月22日付け朝日新聞に、”「機械翻訳 まだ発展途
上」、「速くて大量にこなせるが、手直しも大量」”と題する記事が掲載されました。その内容の一部を抜粋
します。

 ”外国語の本を機械が自動的に翻訳してくれたら、と多くの人が抱いた夢は、どこまで現実になったのだろ
う。コンピューターを使った機械翻訳は、すでに使用説明書などの翻訳に使われ始めているが、まだ手作業で
多くの修正が必要だ。文法から理詰めで迫る戦略には壁が厚く、多くの用例を機械に丸暗記させ、うまい訳文
をあみだす研究も始まった。
 市販されている富士通の機械翻訳システムで、二百字余の「関西空港開港」の新聞記事を英訳してもらった
。1分間ほどで訳文が画面に出た。が、訳がおかしい部分がいくつもある。
 例えば、「世界で初めての本格的な海上空港・関西空港が開港した」。英訳は「...sea airport and
Kansai district airport opened」となり、海上空港と関西空港の二つの空港が開港してしまった。「海上
空港である関西空港」と直したら、うまくいった。”

 この新聞は、翻訳機械が発展途上状態にあるために、正しく翻訳できなかったと指摘していますが、そうで
はなく、インプットした日本語が間違っているのです。すなわち、”AであるB”や”Aの中の一つであるB”を
表すのに、中点(中黒)を使用して”A・B”と記述することはできません。インプットされた、誤った日本語
を、コンピュータがそのまま翻訳したので、機械翻訳ソフトには何ら問題がないのです。

(2)英文の問題:世界中に出回っている英語の文書が、英文法通りに書かれているとは限りません。
 国際条約などの、国連が発行する英語の文書は問題ありませんが、国際規格であるISOやIECを含めて、日本
で利用されている英語の文章は、英語を母国語としている人が書いたものとは限りません。英国・米国以外の
国の人が、その国の公用語から英訳した文章が氾濫しています。
 その事例を示します。ドイツの会社の「Clamping systems of series terminals」と題する文書の中に、
 「But if the terminal is opened entirely, this apron reduces the distance between
the conducting parts of the terminal and the concatenated trail, resp.,enlarges the
construction height of terminal, because...」
とあります。
 英文法をベースにしたソフトでは、”resp.”を、正しく(文脈上、意味が通じるように)訳せないと思い
ます。人の手を煩わせて、独文英訳上の問題を解明できます。すなわち、”resp.”の元の独語が”
Beziehungsweise”であることが分かり、”resp.”ではなく”or rather”と訳すべきであるといえます。

 条約、規格、仕様書、契約書、法律などの文書では、英語もどきや日本語もどきの文章を、機械翻訳ソフト
で正確に翻訳することは無理であると考えます。
このようなときは、翻訳者の出番となるでしょう。


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Re:5月28日〔金)日経新聞 の記事についてくみ E-mail 3855/30-11:16
 記事番号384へのコメント

酒匂さま;
貴重なお時間をさいてのコメントどうもありがとうございました。
大変勉強になりました。
なるほど、たしかに日本語も英語も原文がperfectということは
ありませんものね。
それでも10年後ぐらいは そうとう翻訳者は淘汰されてしまうのかもしれませんね。

なーんにも知らない超学習段階の初心者ですので
このsiteはほんとにありがたいです。

くみ


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Re:5月28日〔金)日経新聞 の記事について折口学 3866/1-18:35
 記事番号385へのコメント


折口学と申します。

酒匂さんもお書きになっておられるように、仕事を失うということは
ないと思います。その根拠として、現在の機械翻訳の問題点を私なりに
挙げておきます。

1、文脈処理ができない
   現在の商用システムはすべて文レベルの処理をしており、
   文脈まで含めての解析をしているソフトは私の知る限り
   ありません。翻訳を勉強していて文脈がどれだけ大切か
   御存知だと思いますので、それを考慮していないシステムの
   問題点は想像できるかと思います。もちろん、大学等の
   研究では文脈解析も焦点に入れているようですが、10年で
   商用システムにまで降りてくるかというと若干の疑問を
   感じます。

2、専門用語が入っていない
   多くのメーカーがそれぞれのシステムごとに専門用語辞書を
   用意しています。しかし、御存知のように専門用語は日々
   増えており、メンテナンスをしていかなければ意味が
   ありません。にもかかわらず、費用とノウハウの点から
   だと思いますが、専門用語辞書のメンテナンスに力を入れている
   メーカーはなさそうです。

3、自然な訳文が作れない
   如何に部品である単語がしっかりと訳されていても機械が
   作り出した文は、不自然であることは否めません。英語なり
   日本語なりの母語話者にとっては最後の仕上げがどうしても
   必要です。

以上に加えて、英日・日英それぞれに固有の問題点もありますが、
長くなるのでこのあたりにしておきます。

最後に、以下のサイトに機械翻訳の情報がありますので、参照して
みてください。

アジア太平洋機械翻訳協会
http://www.jeida.or.jp/aamt/index-j.html

Green and White (翻訳ソフトのページ)
http://www.bekkoame.or.jp/~oto3/

以上、参考になれば幸いです。


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Re:5月28日〔金)日経新聞 の記事についてくみ E-mail 3886/2-09:28
 記事番号386へのコメント

どうもありがとうございました!!!折口さん!
機械翻訳なんてみたこともやった事もない
ど素人なもので あの日経の記事を読んで
とてつもなく不安になったものですから
いろいろ教えてくださって ほんと、有り難いです。
PCの前でペコペコしてます。(^^)

どうもありがとうございました!

くみ