産業翻訳実務相談室

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◇┳社内翻訳者の位置づけ-投稿者:若葉(5/5-01:35)No.4342
 ┣━Re:社内翻訳者の位置づけ-投稿者:beth(5/5-12:26)No.4343
 ┣━Re:社内翻訳者の位置づけ-投稿者:Mockingbird(5/6-08:47)No.4345
 ┗━Re:社内翻訳者の位置づけ-投稿者:ゆう(5/11-22:39)No.4360


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社内翻訳者の位置づけ若葉 43425/5-01:35

こんにちは。
毎日仕事で「???」の連続の若葉、
ふたたびフマンタレブです。

現在社内翻訳者として業務にあたっているかた、または、
社内翻訳者の経験のあるかたにお伺いします。

ズバリ、社内翻訳者とは何者でしょう?
特殊技能のある存在、それともちょっとだけ英語を知ってる
お手伝いさんでしょうか。

翻訳専任としてのポストに就いたのは、今回の会社が初めてなので、
翻訳担当者というものは、会社や世間からどう評価されているのか
肌で感じたことはありませんでした。
わたし自身の今までの職歴は、ピンキリで言うとキリのほうのセコイ
技術者を正社員、派遣等合わせて15年ほどやって参りました。

現在の会社では、テクニカルライターやDTP、翻訳者などの
ドキュメントを扱う社員は事務職であり、技術者とは見なされ
ません。社内での位置づけはアシスタント扱いで、契約社員として
の契約のみ、正社員にはなれませんし、能力昇給査定の対象にも
なりません。給与などの待遇も、技術者(年俸600万前後)の
きっかり半分です。
また、技術者が免除されるお茶当番、掃除当番、接客、備品出入庫
チェック、その他の雑用があります。
個人的には、こういったメイン業務外の仕事は、ずっと座っての
作業の息抜きになるので、別に構わないと思っています。
ただ、技術者ではないので、という理由が、セコくても一応
技術職を長年やってきた自分にはどうにも好きになれません。
そんな風に考えること自体、傲慢かも知れませんが。

現在の会社が決まる前にも、派遣会社から翻訳業務の紹介が
ありました。しかし、翻訳は事務職なので営業事務も兼任して
ください、と言われ、営業事務の経験のないわたしは契約を
進めることができませんでした。

翻訳は立派な技術職だと思っていました。でも何だかちがうみたい。
もちろん、会社によってまちまちであることは容易に想像できます。
ただ、今後もし社内翻訳者として転職する場合、または翻訳を辞めて
しまう場合なども考えて、他社での社内翻訳者の立場などを知って
おきたいと思っています。
初の社内翻訳専任業務では、翻訳内容の難易度の高さだけでなく、
いろいろ戸惑うことだらけです。


社内翻訳者って、何なのさ?
"技術者"が作れないコーヒーを作る人?


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Re:社内翻訳者の位置づけbeth 43435/5-12:26
 記事番号4342へのコメント

若葉さん、社内翻訳者として悩まれているとのことですが、私もそれ
に共感できます。

私も以前クライアントにてオンサイト翻訳をしていましたが、やはり
「ちょっと英語ができるような人」という扱いでした。そんなに多く
はありませんでしたが、翻訳以外の仕事も頼まれました。同時期に派
遣での仕事も考えましたが、以前営業として働いていた会社で派遣社
員で翻訳の仕事をしていた人々の待遇を考えると、踏み切れませんで
した。そこでは派遣の人々は、翻訳+その他の雑用、という形で働い
ていたからです。

普通の企業の大部分の従業員の考えは、翻訳=かなり底辺の仕事(企
業内においては)だと思います。私自身、営業をしている中で翻訳の
仕事を自ら引き受けることがありましたが、「そんなのは適当にやっ
ておけばいいから」とか、「あなたがする仕事ではないから」とかよ
く言われていました。

企業内でレベルの高い翻訳をすることがどの程度必要とされている
か、にもよると思うのですが、たいていの企業では、翻訳という仕事
の専門性が理解されていないと思います。また、私の前の職場で派遣
で働いていた人々を見る限りでは、働く側にも専門性が見られなかっ
たような気もします。そういう意味では、雇う側と働く側の意識が一
致していたのかもしれません。

でも、私はいつも専門意識を持って仕事をしてきました。だから、周
りがなんと思おうとあまり気になりませんでしたが、別の理由から就
職活動を始め、翻訳会社に就職しました。

今の会社では、社員は全員、コーディネーターまたは翻訳者兼チェッ
カーですので(何人かアルバイトの方々もいますが)、皆平等な立場
です。皆、翻訳の難しさとやりがいを理解している人々ですので、本
当にやりやすい環境です。そうなった今振り返って考えてみると、や
はり以前の企業では翻訳という仕事は見くびられていたのかな、とち
ょっと悲しく思います。

若葉さんのご質問に直接お答えすると、私の考えでは、企業内で翻訳
者の立場はまだまだ弱く、事務兼雑務をこなす英語屋さん、という感
じだと思います。もちろん企業によって違うのでしょうが、これまで
私が働いてきた会社ではそうでした。

こういう状況が変わってくればいいな、とも思いますが、難しいかも
しれませんね。でも私が若葉さんなら、多分翻訳の専門性を会社に説
明し、もしやりたくない雑務が多すぎるのであればその点も交渉する
と思います。自分の仕事内容を上司や周りの人々に分かってもらうこ
とはどの職場でも重要ですが、翻訳の仕事は周りからするとなかなか
想像しにくいものなのかもしれません。

つらつらと書いてしまいましたが、応援しております。



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Re:社内翻訳者の位置づけMockingbird 43455/6-08:47
 記事番号4342へのコメント

若葉さん、こんにちは。

私は現在の社内翻訳者(正社員)の前に、派遣翻訳者をしばらくして
おりました。
どちらの職場も製造業ですが、会議通訳及び書類翻訳のみ行います。
同じ企業の他の通訳・翻訳(翻訳のみ行う人もいます)も同様です。

正社員の今、報酬は技術職より少し低いですが、半額ということはあ
りません。派遣会社が提供する医療保険のみで、福利厚生及び仕事の
安定性がよくない分、派遣のときは正社員技術者より高い月収でし
た。

海外に生産拠点がある中・大企業の場合などは出張者の対応や通信・
書類の翻訳量が膨大なこともあり、翻訳業務を特殊技能と認識してそ
れなりに処遇しているのかもしれません。

私自身が直接経験した企業は2社にすぎませんので、普遍化はできま
せんが、ご参考までに。


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Re:社内翻訳者の位置づけゆう 43605/11-22:39
 記事番号4342へのコメント

若葉さん、みなさんこんにちは。
私も最近、自分と周囲との認識の差に気付きました。
これまでフリーで4年、社内派遣で4年、そして正社員で
技術部付翻訳職になったところですが、ちまたにいわれる
「社内翻訳」とは「英語アシスタント」のことです。(断言)
日英両方の資料を作成するとき、両方作る時間がないので
「英語版」を作るアシが欲しい、でも常識程度の文書は作って
くれなくちゃ、というときに「社内翻訳者」を使います。
企業秘密が多いとか、ワーディングとか、その他の要素は
様々あるとはいえ、やはりアシスタントです。
現職は、翻訳職で正社員なんて貴重だ!と思って入社しましたが、
扱いは派遣以下。8割方事務(ファイリングとハンコ集め)、
時々発生する「英語版作成」は事務の合間に猛スピードで
片付けるくらいなものです。

ただ、フリーとして独立するに必要な現場知識を積める点では
貴重な経験だと思いますし、私は社内で人と一緒に働くのが
好きなので、現在も社内で翻訳をやっています。
また、翻訳家志望の初心者が、フリーに要求される
「最低○○年以上の経験」を積み上げるにも貴重な機会かとは
思います。
もちろん、中にはその名の通り「翻訳家」を社内でしている
方々もたくさんいらっしゃると思うのですが・・・
一般的には、社内翻訳の地位は極めて低いことには同感です。