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タイトル: 「付き物」の名詞なら the (その2)
投稿者 :南都隆幸  <email> <Web>
投稿時刻 : 2008年7月7日10時26分 
本文:
(その1からの続き)

再び、ロングマンの backhand についての定義文に戻りますが、そこ
でのテニスの解説文では your ball とせずに the ball としてあった
のは、他人のボールであろうが自分のボールであろうが、ともかくボ
ールでさえあればよくて、どんなボールであってもそういうふうな打
ち方をすれば backhand になってしまうわけだから、"your ball" と
はしないで "the ball" としたのでしょう。

次に、"a ball" とはしないで "the ball" としたのはなぜか?僕が思
うには、テニスにはボールが付き物です。読者は、テニスの話になれ
ばボールが必ず出て来ると思っている。そういうふうな「付き物」で
あるような名詞には the がつきやすいのだと思います。

慣用表現(熟語みたいな表現)の中に出て来る名詞には、最初は a が
ついていたのに、長い年月を経るあいだに a が the に変わり、つい
にはその the も消えてしまうのと同じだと思います。慣用表現の中に
出て来る名詞は、その表現の中では「付き物」なので、a から the に
変化しやすく、そのあとには the が消えてしまって無冠詞になってし
まうのです。(そのような慣用表現の例をお目に掛けたいのですが、
今は思いつきません。)

テニスやゴルフや野球におけるボールの話をしているときには、その
ボールはそのスポーツにおいては「付き物」だから、「初出のボー
ル」であっても "the ball" になることが多いだろうと僕は想像しま
す。でも、たとえば演劇においてボールを使うというような解説文に
おいては、どうでしょうか?僕が想像するには、たとえば

「演劇は〜〜〜というようなものである。したがって、たとえば役者
が舞台においてボールを〜〜したときには、〜〜〜というような効果
をもたらすことができる」

というような解説文を考えて見ます。そういうふうなとき、演劇にお
いてはボールは付き物ではありません。そういうときには、「初出の
ボール」は "the ball" であってはなりません。あくまで "a ball"
でないとおかしいと僕は思います。

もしも僕の考え違いがあれば、どうぞご指摘ください。(おわり)


親記事コメント
「付き物」の名詞なら the をつける(その1)-投稿者:南都隆幸 状況により特定される場合の the -投稿者:南都隆幸

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