教えて--みなさんのお知恵拝借
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◇┳accessという単語について-投稿者:工房セロリ(6/25-14:20)No.1381
 ┗┳Re:accessという単語について-投稿者:Kits(6/25-18:57)No.1382
  ┗┳Re:accessという単語について-投稿者:工房セロリ(6/25-21:01)No.1383
   ┗┳Re:accessという単語について-投稿者:EB(6/27-14:09)No.1390
    ┗┳Re:accessという単語について-投稿者:Kits(6/30-17:39)No.1408
     ┗━Re:accessという単語について-投稿者:工房セロリ(6/30-21:52)No.1409


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accessという単語について工房セロリ 13816/25-14:20

いつも教えて頂くことばかりで、すみません。
ここ数ヶ月、ゲノム、遺伝子関連の論文を翻訳していますが、その中に
盛んに「access」という単語が出てきます。遺伝子情報にアクセスする、
遺伝子テストにアクセスする(例えば保険会社などが)、生物サンプルにア
クセスする、血液銀行にアクセスする、などなどです。アクセスには「接
近」から「利用」まで意味があって、訳し方によって内容に重大な差が
出てきてしまい、この単語が出てくる度にどう訳すか悩んでいます。
翻訳としての日本語では「アクセスする」というカタカナですべて片付けて
しまってもいいのでしょうか。日本語で「アクセスする」という場合、
どんな意味が含まれて使用されているのでしょうか。建物や情報だとアクセ
スするというカタカナで翻訳してもおかしくないのに、サンプル、テスト
にアクセスすると訳すと不自然ですよね?かと言って「利用する」と訳すと
「接近だけした」のではないので重大な問題になってしまいます。この単語
でこんな経験をされた方がいらっしゃったらぜひお知恵をお貸し下さい。

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Re:accessという単語についてKits 13826/25-18:57
 記事番号1381へのコメント

工房セロリさん、こんばんわ。
医薬関係の翻訳を専門にしています。
(と言っても、まだまだ修行中の者です。)
「access」のように微妙なニュアンスを表現することが求められる
単語には、私もいつも悩まされています。

前後の状況がわかりませんので断定はできないのですが、
主語が保険会社などでしたら、(遺伝子検査の結果を)「入手する」
というような意味で使われているのではないでしょうか。
検査結果が第三者の「目に触れる」、
第三者が遺伝子情報や血液標本を「入手」して「利用する」、
あるいは、患者さんが(遺伝子検査などを目的として)「受診する」
などの場合にも「access」が使われる場合があるように思います。

遺伝子検査の結果が臨床的にどのような意義を持つのか、
また、個々のヒトの遺伝子情報をどのように保護するべきか、
というような重要な問題が残されたまま、安易に検査を勧めたり、
患者さんが求めたりすることが、最近、危険視されていますので、
そうした関係の論文かな...と推測しています。

もしかして検討はずれでしたら、ごめんなさい(^^;
私も他の方のご意見をうかがってみたいです。



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Re:accessという単語について工房セロリ 13836/25-21:01
 記事番号1382へのコメント

Kitsさん、早速のアドバイスをありがとうございました。
ご指摘の通り、遺伝子に関わるプライバシーの問題、インフォームド・
コンセント、生命倫理など、各国の状況を報告する科学者の様々な
論文を翻訳しています。

>前後の状況がわかりませんので断定はできないのですが、
>主語が保険会社などでしたら、(遺伝子検査の結果を)「入手する」
>というような意味で使われているのではないでしょうか。
>検査結果が第三者の「目に触れる」、
>第三者が遺伝子情報や血液標本を「入手」して「利用する」、
>あるいは、患者さんが(遺伝子検査などを目的として)「受診する」
>などの場合にも「access」が使われる場合があるように思います。

これもおっしゃる通り、そのように「access」が実に色々な意味で
使用されていて、例えば第三者が「入手する」と訳すのと「利用する」
と訳すのでは重大な相違ができてしまい、前後の文脈ではどちらとも
とれるのです。長期にわたっているため依頼先からこの点について
質問もありました。この「access」は「入手しようとしただけなのか、
利用したということなのか」という質問です。私は正直に「どちらとも
とれるので困っています。」と答えました。そしてこの関連の翻訳は
まだまだ今後当分続きそうなので、この辺で徹底的にこの単語に強く
なってみたいと思った次第です。お金をもらって仕事をしていながら
今一つ自信を持って訳出できていない状況です。

英語を母国語とする方にとっては疑問は生じないのだろうか、と不思議
なのです。英語が母国語の方にとっては「access to the results of
genetic tests」と書いてあればそれだけで「入手する」のか「利用する」
のかわかるのでしょうか?(前後の文脈ではどちらともとれる場合です)


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Re:accessという単語についてEB 13906/27-14:09
 記事番号1383へのコメント

初めまして。翻訳会社で医薬翻訳を担当しています。

原文がないので正確には判断できませんが、accessの持つ
「利用する」という意味は、厳密には「利用できる」という
意味に近いようです。従って、ご質問の件は「(遺伝子情報
などを既に)利用した」のではなく、「(利用したかどうか
は分からないが)利用できた」、すなわち「(単に)入手した」
という意味に近いと思います。

小学館ランダムハウス英和大辞典の用例に次のようなものが
あります:

His library card gives him access to the books.
図書館カードがあるので彼はどの書物でも利用できる。

これを過去形にすると「利用できた」となるわけですが、
可能かどうかを指しているだけで、実際に利用したかどうかは
問題にしていないことがお分かりかと思います。

・・・と、私はこのように理解しているわけですが、
ネイティブに確かめたわけではないので間違っているかも
しれません。今度また聞いておきますね。


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Re:accessという単語についてKits 14086/30-17:39
 記事番号1390へのコメント

EBさん
的確な用例を教えていただいてありがとうございます。

私もあの後、英英辞書をいくつか調べてみたのですが、
「access」=「to get at」と書かれているものが多く、
やはり「利用可能な状態になる」ことを意味するのであって、
実際に利用する(した)かどうかは別問題のようだと思いました。
日本語で「利用」というと、それを使って何か別のアクションを
起こしたことを想起させてしまいますね。

工房セロリさんが書かれていた、accessの意味をどちらにもとれる
ような文脈って、私にも経験あるように思います。
そういう場合に「利用した」と訳して出したことなかったっけ...!?
と、ちょっとあせってしまいました(冷汗)。
今や本棚の飾り物と化している英英辞書を、もっと活用(利用;)
しなければ、と思います。

工房セロリさん

「この単語に徹底的に強くなりたい」という工房セロリさんの姿勢、
見習わなければなりません。
長期戦のお仕事のようですが、がんばって下さいね。


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Re:accessという単語について工房セロリ 14096/30-21:52
 記事番号1408へのコメント

Kitsさん、EBさん、ありがとうございます。
お二人に頂いた助言のお陰で、accessの意味を「英語」そのものの
持つ意味(色々な意味を含んでいる)から解釈していこう、という
全く新しいアプローチを取る事ができるようになりました。
この何日間の間に受注した科学論文でも相変わらず「access」
がよく登場しますが、その度に「使える可能性」なのだということが
念頭にあると、それぞれの文脈に合わせてスムーズに翻訳できる
ことが分かりました。翻訳の醍醐味にますますはまってしまいそうです。

>私もあの後、英英辞書をいくつか調べてみたのですが、
>「access」=「to get at」と書かれているものが多く、
>やはり「利用可能な状態になる」ことを意味するのであって、
>実際に利用する(した)かどうかは別問題のようだと思いました。
>日本語で「利用」というと、それを使って何か別のアクションを
>起こしたことを想起させてしまいますね。

私は社内翻訳者時代に会社でウェブスターをちょちょっと参照した
くらいなので「いくつか」英英辞書を調べたという、それだけで
私はKitsさんを尊敬してしまいました。英英辞書を1冊も持っていない
私です。買わなくちゃ、と思っています。最後に頼るのは英語自体の
持つ意味を、その単語の持つ意味のままに理解することなんだと
改めて思いました。何とお礼を言っていいか分からないくらい、
今後色々な面で生かせるご示唆を頂き、Kitsさん、EBさん、ほんとに
ありがとうございました。