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◇┳溶接:「TIG共付け」-投稿者:N.N(1/1-09:00)No.709
 ┣━Re:溶接:「TIG共付け」-投稿者:ショーシャンク(1/1-09:00)No.712
 ┗┳Re:溶接:「TIG共付け」-投稿者:ベテルギウス(1/1-09:00)No.714
  ┗┳Re:溶接:「TIG共付け」-投稿者:ベテルギウス(1/1-09:00)No.717
   ┗┳Re:溶接:「TIG共付け」-投稿者:ベテルギウス(1/1-09:00)No.720
    ┗━Re:溶接:「TIG共付け」-投稿者:N.N(1/1-09:00)No.723


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溶接:「TIG共付け」N.N 7091/1-09:00

溶接方法で、TIG溶接のうち、「TIG共付け」というのが出てきました。顧客
に内容を問い合わせると、「TIGのアーク熱で母材同士を溶かしあわすこ
と」とのことで、単にTIG weldingではダメとの回答でした。
決まった用語をご存知の方、教えてください。

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Re:溶接:「TIG共付け」ショーシャンク 7121/1-09:00
 記事番号709へのコメント

N.Nさんは No.709「溶接:「TIG共付け」」で書きました。
>溶接方法で、TIG溶接のうち、「TIG共付け」というのが出てきました。顧客
>に内容を問い合わせると、「TIGのアーク熱で母材同士を溶かしあわすこ
>と」とのことで、単にTIG weldingではダメとの回答でした。
>決まった用語をご存知の方、教えてください。

 少し調べてみましたが、顧客の説明があいまいでよく分かりませんね。ですが、
可能性も含めて少し書いてみます。

 一般に溶接とは、2つの母材間の継ぎ目を部分的に溶融させ接合する加工法のこ
とです。特に母材と溶接トーチ(電極)との間に放電を起こさせ、その時に発する熱
で継ぎ目を溶融させるものをアーク溶接といいます。その中でも、電極にタングス
テン棒を用い、また高温の溶融した金属が空気中の酸素と反応しないよう、不活性
のガス(シールドガス)で溶融池(溶けた部分のこと)を保護し、溶加棒を溶かし
ながら行う溶接をTIG溶接(Tungsten Inert Gas welding)といいます。

 しかし、JISの用語集を見ても、「共付け」という言葉は出てきません。それで
は、「TIGのアーク熱で母材同士を溶かしあわすこと」はどうかというと、上記から
も分かるように、TIG溶接自体が「アーク熱で母材同士を溶かしあわすこと」なので
す。従って、TIG溶接と、顧客の言うTIG共付けとの違いがあいまいであると言わざ
るを得ません。

 一応、その他の可能性を探ってみると、以下のようになります。
(1)顧客はTIG溶接ではないと言っている。
(2)しかし、TIGを利用するらしい。
そこで、タングステン電極とガスとアーク熱を使う別の溶接としては、プラズマア
ーク溶接(plasma arc welding)が考えられます。プラズマアーク溶接は、電極に
タングステンを使い、電極と母材の間に「プラズマアーク」を発生させて、その熱
で母材同士を溶かし合わす方法で、溶加棒は使いません。ガスに関しても、プラズ
マガスが放出されますが、それが不活性かどうかは私には分かりませんでした。し
かし、れっきとした名前があるのに、共付けなどと呼ぶのも変ですね。

 残念ですが、分かったのはここまでです。

 なお、大きな書店の機械工学の棚に行くと、JISハンドブックがずらりと並んでい
て、その中に「溶接」というタイトルのものがあり、冒頭の方に英訳付きの用語集
がありますので、きっと役に立つと思います。


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Re:溶接:「TIG共付け」ベテルギウス 7141/1-09:00
 記事番号712へのコメント

N.Nさん、ショーシャンクさん、こんにちは。
特許庁のホームページで検索できる、公開特許公報の特開平9-141426(特許公
開 平成9年 第141426号)「溶接加工方法」の特許明細書中に、次のような記
述がありました。普遍的に用いられる言い方かどうかは分かりませんが、参考
になりましたら幸いです。

「このため、従来から、周知のすみ肉溶接技術として、溶接棒を使わずに、
ワークどうしを溶融させてこの溶融部で接合を行う共付け溶接技術や、溶接棒
を用いた溶接棒利用溶接技術、あるいはロボット等による自動化溶接技術など
が、上記保護管1と取付ネジ部3との接合に広く利用されている。」


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Re:溶接:「TIG共付け」ベテルギウス 7171/1-09:00
 記事番号714へのコメント

ほかにも「共付け」という語を含む特許明細書がありました。先の特開平9-
141426と下記の特開平5-56609に関して、英訳を見るために、この出願をもとに
した外国出願を調べましたが、見つかりませんでした。


特開平5-56609

回転機口出線の自動接続装置

【0037】次に、キャリア1はTIG溶接ユニットHへ送られ、ここでは、口出線切断
ユニットGで切り揃えられた導線5b、10bの切断端部が、各エナメル線5毎に設け
られた図15に示すTIG溶接装置20により、各エナメル5線について同時に共付け
溶接され、溶接部分21を形成する。かかるTIG溶接装置20において、エナメル線
5の導線5bとこれに巻き付けられた口出線10の導線10bとはクランプ治具20aのク
ランプ部材20aa、20abによって保持され、これら導線5b、10bの切断端部に向き
合うようにタングステン電極20bの端面が配置される。このタングステン電極
20bは中空のホルダー20cに囲まれており、これら間にArガス供給間隙20dが形成
されて、溶接時、この間隙20dを通してArガスが供給される。タングステン電極
20bは電源20eの正極のターミナルに接続され、クランプ部材20aa、20abは負極
のターミナルに接続される。
【0038】溶接部分21の信頼性を確保するためには、その接続強度が必要である
ので、溶接条件を管理する必要がある。このためには、溶接部分21の先端とタ
ングステン電極20bとの間隔は1mm~7mmに設定されることが好ましい。実験の結
果によると、タングステン電極20bの先端は図16に示すようにテーパ状とし、そ
の先端のの直径が根元部の直径の15%~80%であることが好ましいことが判明し
た。また、導線5b、10bの捩り合わされた接続部への電力の供給がクランプ治具
20aのクランプ部材20aa、20abを介して行なわれることにより、安定した溶接条
件を確保することができる。この条件を満たし、かつArガスを溶接部分21に微
量供給して、タングステン電極20bと溶接部分21との間でアークを発生させるこ
とにより、溶接部分21が溶かされ、エナメル線5の導線5bと口出線10の導線10b
の素線とが溶け合って接続される。この結果、接続強度の大きい溶接部分21が
得られ、しかも、いづれの導線も酸化がない状態で溶接されるので、信頼性の
高い接続が達成される。


特開平5-22886

電動機及びそのステータ巻線と口出線との接続方法

【0005】このようにエナメルが除去されたエナメル線の端部を口出線に接続す
る方法としては、従来図23及び図24に示すようにして鑞付けもしくは半田付け
する方法がある。図23に示す方法は、口出線3の被覆膜が除かれた端部の導線4
にエナメル線1の端部のエナメルが除かれた導線2を巻きつけ、これら導線4の先
端部と導線2の先端部とを、鑞付けもしくは半田付け28により、共付けするもの
である。図24に示す方法は、図23に示した方法のように口出線3の端部の導線4
にエナメル線1の端部の導線2を巻きつけるのであるが、この導線2が巻きつけら
れた導線4部分を鑞材30で被覆して導線2を導線4に鑞付けするものである。


特開平11-273471

絡め線の自動ロウ付け方法及びその装置

【0012】
【実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。図1(A)~
(G)はそれぞれ本発明の絡み線の自動ロウ付け方法の一実施形態を示す説明図、
図2はそのフローチャートである。この実施形態に示す自動ロウ付け方法は図2
に示すステップSP1からステップSP5までの工程を順に行うことにより行われ
る。まず、図2に示すように、この自動ロウ付け方法は、ステップSP1において
手作業あるいは自動作業によりロウ付けする絡め線1を作り(図1(A)参照)、ス
テップSP2においてその絡め線1をクランプ治具などの保持具2に保持させ(図1
(B)参照)、ステップSP3において保持具2に保持された状態で絡め線1の先端部を
切断装置41によりカットして長さを調整し(図1(C)参照)、ステップSP4において
絡め線1の先端部1aを2000゜~3000℃程度のトーチ炎54によって焼くことにより
先端部1aを溶融させて共付けするとともに、その共付け部4から長さdの範囲の
エナメル線10のエナメル被膜5を除いてエナメル線の導体線3を露出させ(図1(D)
及び図10参照)、前記トーチ炎54によるバーニング工程が終了した後(図1(E)参
照)、ステップSP5においてロウ材6が溶けたロウ付け炉7内へ前記導体線3が露出
された長さdと同じ長さあるいはその長さより短いより先端部域を浸漬(デップ)
することによりデップロウ付け(図1(F)参照)する。このようにして、図1(G)に
示すような最終的にロウ付けされた完成品を得る。


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Re:溶接:「TIG共付け」ベテルギウス 7201/1-09:00
 記事番号717へのコメント

特開平5-187376をもとにした米国特許 USP 5,304,045 があり、「共付け」を
「co-welding」としていますが、一般的な言い方なのかどうかは定かではあり
ません。(「点溶接」を spot welding でなく、point-welding と書いていま
すし...。)
米国特許庁(USPTO)のホームページで検索したところ、最近の米国特許20年分
のうち、「co-weld」を用いたものは4件(USP 5,304,045、4,696,850、
4,084,847、4,004,124)で、いずれも出願人が非英語圏(日独)の企業ですか
ら、「co-weld」は使わないのかもしれません。

United States Patent 5,304,045

Closed type motor-driven compressor, a scroll compressor and a scroll
lap machining end mill

Then, point-weldings are effected at a plurality of points overlapped
between the support leg 112 and the auxiliary bearing 111 by the
plurality of welding torches 116. On this occasion, the welding
involves use of non-consumable electrodes which do not use fillers, so
that a normal welding state with a relatively small amount of
sputtering can be obtained by co-welding.

特開平5-187376

全密閉形電動圧縮機

そして、複数の溶接トーチ16により、支持脚12と副軸受11の重合点の複数個所
を点溶接する。この際、溶接はフィラーを用いない非消耗式電極を使用し、共
付けすることによって比較的スパッタの少ない正常な溶接状態が得られる。


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Re:溶接:「TIG共付け」N.N 7231/1-09:00
 記事番号720へのコメント

ショーシャンクさん、ベテルギウスさんほんとにほんとにありがとうございました。
とくに、ベテルギウスさん、ついに「共付け」の訳を見つけていただいたよう
で・・・ お客様からの提案で、TIG welding without filler wires (フィラーワ
イヤなしTIG溶接)としてくださいとのことで、今回はとりあえずそれを採用しまし
た。
今後も、1月末まで500枚分ほど溶接関係の訳を続けることになってますので、co-
weldingについては調べつづけていきたいと思います。よい情報ございましたらよろし
くお願いします。
インターネットでの調べもののコツ等もよろしければ教えてくださいね。