「これこれこういう職業の人にとっての理想的な結婚は、どういうも
のか」そういう疑問は、正直を言って、あまり意味のないものだとい
う気がします。もちろん、決してこの疑問を持っている人をからかっ
たり批判したりするつもりはありませんけどね。
理想的な結婚と言えば、どのような職業の人にとってであれ、性別や
国籍や宗教や、その他のいかなる条件を越えて、やっぱりあれです
よ、あーた、愛がなきゃ、始まりませんよ。
愛って何なのか、それを問いただすと、またもや迷路に陥りますけ
ど、さし当たって、ここでの「愛」は、とても広い意味に解釈してお
きましょうかね。つまり、「相手と一緒に生きていくのでないと、私
としては生きてはおれぬ」という切羽詰った感情です。
そういう感情が、曲がりなりにも双方にあれば、一応はその結婚がそ
れなりにうまくいくと思います。さらに、「うまくいく」とはどうい
うことか、これもまた難しい問題ですけど、少なくとも数年あるいは
10年くらいは本気でお互いの人生を大事にして、本気でぶつかり合え
る夫婦になれると思います。
離婚した男の癖に偉そうなこと言うな、と言われそうですが、私自身
は、離婚したとはいえ、喧嘩別れしたわけでもなく、互いを忌み嫌っ
ていたわけでもなく、それどころか、私の元の家内ほど立派な女はこ
の世にそれほどはおらん、と確信しきっています。それなのになぜ離
婚したかって?私は、離婚したからと言って愛がないとか、結婚しな
いからと言って相手を愛していないとかいうふうには、考えておりま
せん。相手を愛すればゆえに離婚することもあろうし、愛すればこそ
結婚はやめておく、ということもありましょう。
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