> authorization と necessary for settling the
>matterが切り離されてしまっているため、英文として少しおかしくな
>ってしまったように感じました。
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なるほど、そういう点に疑問を感じられたのですね。それについて
は、私は英語学者でもなくネイティブスピーカーでもないので、断言
はできないのですが、このように authorization と necessary for
settling the matter とが切り離されていることは、許容範囲内にあ
ると思います。現に、文章のうまいネイティブスピーカーと思われる
人の書いた文章にも、このような例はよく見かけたように思います。
それではその例や証拠をすぐにお見せできればよいのですが、残念な
がらそのような例を集めたことはないし、このような例を Google 検
索するのもさほど簡単ではないし、そのような構文が果たして「正
し」くて「許容範囲内にある」という証拠も、私にはお見せできませ
ん。
本来、英語以外の欧米諸言語においては、名詞・形容詞・代名詞・関
係代名詞などに性数による区別(つまり、形容詞や関係代名詞などに
も、男性形・中性形・女性形、さらには単数と複数の区別)があり、
そのため、今回のような構文においても、仮に authorization に相当
する単語と necessary に相当する単語とが切り離されていても、たと
えば authorization に相当する単語が女性名詞であり、necessary に
相当する形容詞が女性形であり、さらにはそのあいだに割り込んでい
る by D の D に相当する単語が中性名詞あるいは男性名詞であるとす
ると、necessary に相当する形容詞が女性形であるため、その直前の
中性名詞や男性名詞を修飾しているわけがなく、それから少し離れた
女性名詞である authorization に相当する名詞を修飾しているという
ことが明らかになります。
このように、英語以外の欧米諸言語においては、修飾する単語と修飾
される単語とが離れていても、その意味関係(何が何を修飾している
のか)がはっきりします。でもそのような諸言語で最初は書かれてい
たと思われる法律文書(かつては英語ではなく、フランス語で法律
文書が書かれることが多かったと聞きます)を、英語に直訳し、現代
ではそのような英語が法律用の英語として通用しているのだと私は思
います。
そう考えると、英語における今回のような、修飾語と修飾される語と
の乖離は、元の言語(たとえばフランス語)における構文を考えて見
れば、別におかしいことも何ともないということになります。もちろ
ん、私は、今回の契約書も元はフランス語などの言語だったと言って
いるのではありません。私が言いたいのは、今では英語で発案される
ことの多い法律文書ではありますが、数百年前は、英語ではなくフラ
ンス語や、あるいはもしかしたらラテン語で書かれることが多かった
のだろうということです。そして今でも、その当時のフランス語など
における構文をそのまま、英語でも踏襲しているのだろうということ
です。
とはいえ、やはり、英語においては性数の区別があまりないので、英
語だけでこういう文書を読むと、authorization と necessary との関
係があいまいになりますね。できればこのように修飾語と修飾される
語とを切り離すことは避けようという原則は、文章家たちがみんな提
唱していますね。でも現実には、やむを得ず、修飾語と修飾される語
とを切り離さざるをえないときもあるということのようです。
とんちんかんなことを書いてはいないかと不安ですが、ここで投稿ボ
タンを押します。
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