たけださん
心温まる文章を書いてくださいました。うれしいです。僕も何でも屋
です。でも、悪い意味での何でも屋ではなく、よい意味での何でも屋
になろうと、数十年にわたって努力を続けてきました。
専門分野において、多くの分野を手がけてきました。21年前に僕が在
宅フリー翻訳者になったとき、僕はいつも言っていました。「私はゼ
ネコンで働いていましたから、建築・土木・機械・電気・貿易につい
ては、少しはわかります。でも、その他の分野については無知です。
特に電子やコンピュータについては、まるでわかりません」
でも、その当時は建築土木のお仕事はほとんどなく、私の知らない自
動車・音響機器・電子・コンピュータ、その他いろいろな機械に関す
るお仕事が多かったのです。おまけに、先端技術のいろんな新聞記事
みたいなものの英訳の仕事もたくさん来ました。医学論文のお仕事も
来ました。私がいくら断っても、そういう仕事があとからあとから来
ました。何でも見てみたいという好奇心から、僕はそのうち、断るの
が面倒になって、頂けるお仕事はすべてやらせて頂きました。ただ
し、いつもクライアントには言っていました。「私には専門はありま
せん。何も知りません。でも、できるだけ勉強はしています。そし
て、語学については命を賭けています」
何でも屋としていろんな分野を手がけてきただけでなく、語学につい
ても何でも屋でした。英語・フランス語・中国語・ルーマニア語とい
う四ヶ国語での翻訳でお金をもらったことがあります。ただし、英語
に比べると、他の言語ではほんの少ししか稼いだことはありません。
中国語に至っては、一件の仕事しか請け負ったことがありません。合
計9,000円だけ。クライアントにははっきりと言っておきました。「僕
は中国語がそれほど得意なわけではありません。でも、今回の手紙文
の和訳については、きちんと訳せる自信があります」
(その 2 に続く)
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